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遠距離恋愛の果てに  作者: 藤乃 澄乃
【第3章】 動揺
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7月8日(日) お星さまが見えた(1)

 今日は龍也くんがお星さまを見に連れて行ってくれるって。


 今日は龍也くんがお星さまを見に連れて行ってくれるって。

 でも、『普通のお星さまとはちょっと違うから、そういう意味であんまり期待しないで。でも、別の意味で期待していてね』って。


 ぐぬぬ。どういうこと?

 また『龍也ワールド』か?

 

 なんて思っているうちに車は駐車場へ。

 ここはどこ?


 車で20分走っただけでこんなところがあったなんて、知らなかったな。

 

 広い駐車場はいくつにも分かれていて、そのエリアを繋ぐ2車線の道。その先にはテニスコート・バッティングセンター・ゴルフ練習場などがあり、独立したレストランの建物がいくつもある。これらが全てひとつの敷地内にあるのだ。


 植木は綺麗に整えられていて、いくつかある芝生の張られた広場の脇には色とりどりの花が植えてあり、その横にはベンチがある。今はまだファミリーが溢れているが、夜になればカップルの憩いの場になりそうだ。

 広い敷地内を散策するのも楽しそう。



「こんなところがあったなんて知らなかった」


「そう? とりあえずご飯行こっか」


 ええっ? そっち優先?


「まだ早いんじゃない?」


「いや、ここのお店混んでるから早めに行かないと」


「ふうん、そうなんだぁ」


 

 確かに。龍也くんが連れてきてくれたレストランには長蛇の列が。順番待ちの用紙に名前と人数を書き込む。店員さんに待ち時間を聞くと1時間とのこと。


「じゃあ、ここでじっと待ってても仕方がないし、その辺の散策でもしてみる?」


「うん。行く行く」


 レストランとレストランの間には、雑貨店やらお菓子のお店などが建ち並び、ウインドウショッピングするだけでも結構楽しい。女子は小物を見るのが大好きなので、1件あたりの滞在時間はちょっと長め。

 龍也くんは文句も言わずに付き合ってくれているけど、退屈してないかしら。


 伝えられていた時間の10分前になったので、そろそろレストランに戻ることにした。


 お腹もすいてきたし、ちょうど良い時間になってきた。どんなお店なのか期待がふくらむ。

 しばらくして、時間より少し遅れて名前を呼ばれた。いよいよ店内へ。


 わくわくしながらカントリー調の木製ドアを押し開ける。ドアの外の明るい雰囲気とは打って変わって、オレンジがかった照明の薄暗い店内。急に室内に入ったので、余計にそう感じたのかもしれない。


 きょろきょろと周りを見渡すと結構な奥行きがあり、手前には雑貨売り場、そして広いホール。奥の方にテーブル席があるようだが、どんな感じかここからだと暗くてよく見えない。

 この中にも3つのレストランがあって、どのレストランを利用するか聞かれる。


「ジンギスカンとシーフードとアメリカンレストランがあるけど、ジンギスカンでいい?」


「うん。私、ジンギスカンはじめて」


「おお! 楽しみだね」


 係の人に案内されてジンギスカンのレストランへと進んで行く。途中、橋を渡った! そう、お店の中なのに川のようなものがあり、その上に架かる橋を渡って、奥のテーブル席へと向かうのだ。


 少し緊張しながら橋を歩き進んでいく。


 それはちょうど橋の真ん中あたりにさしかかったときだった。いきなりの轟音。いや雷鳴とともに川の上に雨が降る。


 え、え、どうなってるの!?



お読み下さりありがとうございました。


次話「7月8日(日) お星さまが見えた(2)」もよろしくお願いします!

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