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遠距離恋愛の果てに  作者: 藤乃 澄乃
【第3章】 動揺
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7月8日(日) 気にしない?

偶然出会った龍也くんの職場の後輩。

今年度新入社員のイケメンくんで、龍也くんの仲良し。

 龍也くんとの待ち合わせ場所に少し早めに着くと、前から来る思わず吸い込まれそうになる黒い瞳と目が合った。 


 龍也くんの後輩で本年度新入社員のあのイケメンくんのこうちゃんだ。少し話していると目の前に龍也くんのSUVが停車し、龍也くんが降りてくる。

 2人は挨拶を交わし、一緒に食事でもどうかという龍也くんの誘いを断り、浩ちゃんはその場を後にした。気を使ってくれたのかな。


 私が助手席に乗り込むと、龍也くんはゆっくりとドアを閉めてくれ、運転席側にまわる。


 安全を確認してゆっくりとロータリーを出発する。


 私はまだ日曜日のことが気になってはいるが、言い出す勇気がない。

 あの後電話でしゃべったとはいえ、待ち合わせ場所に現れる彼に『どんな顔をして会い』、『どんな話をすれば』いいのかと思い悩んだりしていたから。


 第一関門の『どんな顔をして会うか』は、浩ちゃんと偶然会ったおかげで難なくクリア。

 第二関門の『どんな話をするか』について助手席で考えを巡らせている私。


 でも、そんなことでクヨクヨしているのは、案外私だけなのかもしれない。


「昨日は七夕だったね」


 不意に彼の口から出た言葉に少し拍子抜けしたが、そこがまた彼のいいところでもある。


「そうだね」


「昨日は見られなかったから、今日は今から星を見に行こうか」


「今からってまだ4時過ぎだよ。お星さまなんてまだ早いんじゃないの?」


 それとも、今から行かないと間に合わないほどの遠出をするのだろうか。


「大丈夫、大丈夫。海彩みいちゃんはお星さまを見たいの? 見たくないの?」


 もちろん見たいに決まっている。


「見たい!」


「じゃあ決まり。あ、でも普通のお星さまとはちょっと違うから、そういう意味であんまり期待しないで。でも、別の意味で期待していてね」


 ぐぬぬ。どういうこと?

 また『龍也ワールド』か?


 このなんとも言えない余白が期待を募らせる。

 今日は一体どこに連れて行ってくれるのだろう。


 さっきまで【乙女座】特有の『気にしすぎ』全開だった私は、打って変わって楽しい気分になったのだ。

 正しく『龍也ワールド』だ。


 彼が意図してそう振る舞っているのか、天然なのかはまだ解らないが、彼の言動は少なくとも私の気分を楽しいものに変えてくれるということに違いはない。


 日曜日の彼の言葉は、彼が声に出して放った言葉は、残念ながら大雨の音にかき消されて私には届かなかった。しかしその後の彼の言動で、意を決して言ってくれた言葉であろうことは明白だ。


 どんな言葉だったのだろう。ホントは凄く凄ーく気になる。

 でも、またいつか龍也くんが言ってくれると信じ、その時を待つことにしよう。そう思えた。


 ホントは凄く、すごーく気になるけど。



お読み下さりありがとうございました。


次話「7月8日(日) お星さまが見えた(1)」もよろしくお願いします!

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