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遠距離恋愛の果てに  作者: 藤乃 澄乃
【第2章】 はじまり
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ある梅雨の日

梅雨のある日のデート。

雨の日ってなんだか……。


 あの綺麗な夕陽を眺めてから、もう何度目のデートだろう。

 私のお気に入り、龍也くんの黒のSUVで、今日もお出かけ。


 でも、あいにくの空模様。

 梅雨だしね。仕方ないよね。


「みごとなドライブ日和だね~」


「ほんっと。見渡す限りのこの清々しい雨雲!」


「まあ、梅雨だしね」


「屋内が無難だね」



 

 雨脚も強くなり、遠出はやめて近くのショッピングモールをぶらぶらすることになった。


「うーん、どうしよっか」


「そうだなぁ。ま、とりあえず早めの昼食といきましょうか」


「ふふふ、まずはご飯ね」


 フロアーガイドを見ながらああだこうだと言い合って、結局パスタを食べることに。

 サラダに、オニオンスープ、ガーリックトースト。そしてメインのナスときのこのミートスパゲッティ。

 スパゲッティが席に運ばれると、その場でチーズを削りながら、好みの量を麺の上にかけてくれる。


 チーズ大好きな私は、いっぱいかけてもらって大満足。


「いただきま~す」


 と、スプーンの上でスパゲッティを絡めたフォークをクルクル回す。

 アツアツのスパゲッティを『ふうふう』しながら口に運ぶ。


 う~ん、美味~。


 2人とも同じものを頼んだから、2人でクルクルとスパゲッティを絡めたフォークを回し、食べやすい大きさに上手く巻けたら口に運ぶ。


「美味しー」


「美味しいねー」


 会話も弾み、調子に乗ってクルクルクルクル。

 クルクル……。


 きゃあ!


 ミートソースがブラウスの胸元に!

 わ、どうしよう。おろしたての白のブラウスの一部が焦げ茶色に。


 慌ててウエットティッシュでつまみ取る。

 こういうシミを取るときは上からこすってはいけないのだ。

 まず、つまみ取る。でも、ミートソースは強烈で、うっすらと跡が残ってしまった。


 一気にテンションが下がった私。




 昼食後もウインドウショッピングなどを楽しんだが、その間もずーと気になっていた。

 あることが私の頭から離れない。


 ああ、もう今日は早く帰ろう。



「ごめんね。なんか」


「そんなに気にすることないのに」


「でも、気になって気になって、いつもの調子がでない」


「そうだな、テンションだだ下がりだもんな」



 家の近くまで送ってもらって、雨の中玄関へと急ぐ。

 早くブラウスのシミを取らなきゃ。

 あーあ、今日はついてないなぁ。折角のデートが台無しだ。




 午後7時、自宅に帰っても真っ暗だ。あ、そうだ。皆は夕飯を食べに行くって言ってたっけ。

 玄関からリビングへ。サイドボードの上で赤いランプが点滅している。

 リビングの電気をつけてボタンを押してみる。


 『メッセージを、1件再生します』


 ドキン

 

 大きな鼓動が私の中に鳴り響いた。


 今頃……。


 私は留守番電話のメッセージを聞いて驚愕した。



お読み下さりありがとうございました。


次話もよろしくお願いします!

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