マイナス1-05
ラーグ星、ガーグ国。
その地下千数百メートル。
そこに奴は眠っていた。
成長の時を待つために。
ゴルム。
その怪獣はガーグ国の一研究所の
所員たちにより
そう名付けられていた。
研究員たちが遺伝子工学の実験のために
産み出したものだ。
やはり実物を造ってみなければ
科学の進歩は望めない。
そしてDNA,細胞レベルまでは
数百は造っただろうか。
その大半はそのまま。
そのようなモノが成長し
もし暴れ出しでもした日には
大変な事になる。
そのくらいの分別は
研究員たちにもあった。
もともと枠沢は
怪獣の製造には反対をしている。
やはり枠沢を怒らせるのは-----
彼らも得策ではないと考えていたようだ。
しかし-----。
その中の一つの細胞。
それが彼らも気付かぬ内に
研究所外へ。
何らかの意図が働いたのかは
今となっては-----。
それは成長をはじめ-----
幼体となり地下へ。
そして数十日。
ゴルムは成長を遂げていた。
ゴルムが目を開いた。
身体を大きく震わせる。
そして地上へと。
夜の暗闇の中。
その姿をラーヅ市の中心に現した。
口から生物レーザーを。
近くにあった建物を。
ビルを。
人々は何が起きたのか。
戸惑ったように。
そしてわけもわからず周囲を探る。
悲鳴がこだまする。
怪獣を産み出した研究所も生物レーザーにより。
そして人をルーゼル化するための
DNA注入生物を保管していた
官庁の建物も。
軍がおっとり刀で駆け付けるが。
この惑星の飛行兵器が。
走行車両がゴルムへ向け。
しかし全く。
ゴルムの生物レーザーにより
一瞬にして次々に破壊されていく。
その時ルーゼルが。
枠沢が造った薬を飲んだ内の一人だろう。
枠沢は世界各国へ
薬を相当数、提供していた。
ルーゼルがゴルムへ。
ゴルムはカテゴリー“1《ワン》”かそれ以下。
ルーゼルはカテゴリー“1・+《ワン プラス》。
ゴルムが生物レーザーを。
しかし全く。
ルーゼルはそれを確かめるように。
そして満足気にうなずいた。
ゴルムを首投げに。
手刀を。
そして。
BB線を。
ゴルムは。
一撃だった。
白熱化し-----溶け去る。
リドニテスはその結果に。
変身を解いた。
しかし。
事態はそれだけでは終わらなかった。
ゴルムにより解き放たれた
DNA注入生物は。
人々を次々にルーゼルへと。
ルーゼル化したある者は巨大化し-----。
ある者は空へと。
他国でも。。
同時に怪獣が出現しだした。
怪獣が同時に。
しかも大量にという事は
あっていいわけがないのだが。
枠沢によると-----だ。
TV番組では-----。
いや。
何となれば造られた時期も、
成長に要する期間もまちまちなはず。
それが同時になどとは-----
考えられない。
よほど数が多くなければ。
しかしそれは起こった。
一晩の内に世界中で
合わせて十数体が。
中には敵対国に対して
軍事目的で仕掛けられたものも-----。






