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戦闘論(仮)  作者: 如月 恭二
6/17

強さとは

お待たせしました‼

戦闘論、最新話です。

お楽しみの方、申し訳ありません。

(異端ノ魔剣士も併せてお待ち頂けると幸いです)

 強さとは戦闘においてある意味最も重要な指標だと思う。

 簡単な例を出すと、小鬼(ゴブリン)より竜(或いは龍)が強いというところか。

 難しいところをあげるなら、ライオンとトラ、(わに)(さめ)か。後者は割りと簡単かも知れない。


 鰐の咬合力(こうごうりょく)は凄まじい。その力は実に一・二トン。人間の頭蓋骨が一トンの衝撃に耐えられるというから、その破壊力はお察しだろう。しかも、これだけの咬合力は他に類を見ない。鰐の独壇場である。

 鰐は地上でも水中でも素早く、敏捷性においても隙がない。加えて防御も折り紙つきだ。ワニ革は丈夫で、生半可な攻撃では傷ひとつ与えられない。

 さて、ここまで鰐のことを語った訳だが、鮫はそれを上回る速度で泳ぎ回る。

 因みに、巡行速度で走る車(大体六〇km/h程度)と同じ速度なのだから驚きだ。普段は割りとゆっくり回遊するのだが、臨戦態勢となれば非常に素早い。


 ここで、両者が仮に戦うとした場合の欠点と長所をあげようと思う。

 大体は以下のことがあげられる。


 ・鰐

 長所:水陸両用で素早い。

    咬合力が高い。

    噛みついたまま身体を回転させ、獲物を真っ二つに引き裂く事が出来る。


 欠点:エラ呼吸ではなく、継戦能力に難あり。

    背部や側面は固いが、腹部は非常に柔らかい。



 ・鮫

 長所:水中は独壇場(ホームグラウンド)である。

    鰐を凌ぐ速度の泳ぎ。

    多層かつ生え替わりがきく牙(切れ味が高く、切断力に長ける)。

    鮫肌が固い。

    エラ呼吸により継戦能力が高い。


 欠点:エラ付近は柔らかく、致命部位。

    鼻先を押え込まれ、制圧されると動きが取れない。


 さて、両者が仮にとは言え、戦うことを前提とした場合。上記の如く、それぞれ条件が変わっていることにお気付きだろう。

 でも、これを見て何か思わないだろうか?

 ──そう、これは人間にも同じことが当てはまる。


 何故なら、何もかもまったく同じ人間なんて居ないからだ。動物にも同じ種族でありながら、僅かに特色が違う。同じように、人間同士でもその個体毎に特徴が変わる。

 騎士と傭兵では、場数と経験、思想や嗜好も違うだろう。

 狂戦士と魔法剣士が同じような特性を持っているなら、それこそとんだ興醒めだ。



 尚、上記事項で触れたが、ライオンとトラが戦った場合。これは同じ種族であっても、その様相に差が出る。

 これも、個体毎に変わる上に、個体の力量や経験にもよるからだ。

 老齢かつ頑健な個体なら(から)め手で、若くとも天賦(てんぷ)の才をもってして相手を制する訳だ。この辺りは人間とほぼ同じだろう。

 要は、個体毎の力量によりけりと言うことだ。



 さて、ここまで強さということから少し論点をずらしては見たものの、どうだろうか。

 実際、“強さ”とは限られた環境化での状況しか想定し得ないのではないか、とさえ思えてくる。私はそう思う。三すくみの関係が好例だと思うのは、私だけではないはずだ。


 大陸で随一の剣士と、名うての暗殺者。

 大陸最強の傭兵と、火の山に住まう龍。


 こうして比較すると、強さとは限定的な場面でしか活きないように見えて来るのだから不思議である。

 正面切って戦うことに定評がある剣士と、同じように正面切って暗殺者が戦えば結果は見えている。

 闇に乗じて襲撃を行う暗殺者と剣士では、最早相手にすらならないかも知れない。ことに夜闇での分は暗殺者にある。夜目も利くことだろう。

 種族や職業が違うだけで、これほど違いが表れる。個々人の差異を含めれば、千差万別どころではない。

 三すくみの関係が生まれるのも納得である。最早じゃんけんに近しいものを感じてしまう。


 因みに、強い者をあげるなら、私はこれをあげる。アニメなどから持ってきたものに関しては目をつむって頂きたい。パロディや二次創作などは、私には敷居が高すぎる。どうか、まげて許して頂きたい。


 アニメ編

 ・アーカード、アンデルセン神父、鹿目まどか(概念化しているが)、うしお、とら、サーヴァント達(某stay night、Zero、GO)、幻想郷の美少女(バケモノ)……etc


 現実編

 ・シモヘイヘ、呂布奉先、張遼文遠、張飛翼徳、関羽雲長、甘寧興覇、黄忠漢升、本多忠勝、立花道雪(たちばなどうせつ)


 ……こんなところか。

 私が思うに、Zeroのバーサーカーは本当に気違いじみている。あれがひとつの概念としか思えないのは、きっと私だけではないはずだ(確信)。


 力関係や支配関係を加味すると、また強さの見方も変わる。精神的な強さも見せれば最高ではなかろうか。これを軍事力の対比などに持ってくれば、輝くのでは?

 作品に厚みが増すこと請け合いである。


 …………ふむ、強さから外れてしまった感があるな。少し話を戻そう。


 アフリカのサバンナで一番強いのは、まず間違いなく《象》だと思う。大きくて、力が強く、野性における象の凶暴性を加味すれば、こうなるだろう。

 元科学者志望だった筆者によれば、筋肉の断面積が大きければ、必然的に力は大きく強くなる……とのことだ。つまり、サバンナで食物連鎖の頂点に立っているのはライオンではなく、象であるということになる。

 そもそも、ライオンが象を避けて通る程ではある。


 次点は《(サイ)》だろう。

 実は、カバとこれとでかなり悩んだ。

 だが、敏捷性は犀の方が高く、外皮も硬質。角による刺突も威力が高いだろう。


 次に《カバ》か。

 お察しだろうが、犀や象とならんで、サバンナにおける特級の危険生物である。

 気性が荒く、縄張り争いが熾烈で、生傷が絶えない。敏捷性も低くはなく、鰐さえ蹴散らす戦闘能力を有する。顎の力も強靭で、草食性動物でありながら、肉食動物すら裸足で逃げ出す。


 これも存外強い、なんと《キリン》である。

 草食性動物ばかりかよ、と侮るなかれ。

 ライオンを追い掛け回す程には凶暴なのだ。加えて、数メートルに及ぶ巨体から繰り出される蹴脚は、見た目以上の破壊力を内包している。

 キリンに蹴り殺されたり、踏み潰されて内臓破裂で死亡するライオンも居るとか。


 余談にはなるが、肉食動物は弱いと思うかも知れない。

 だが、これは単に進化の過程で、『喰われまい』とする生存欲求から来るもの故、仕方ないところもある。

 以前触れた、集団の恐ろしさからもわかるが、よってたかって潰しに掛かられれば、ほんの数頭程度は訳もないのだ。

 (ほしょくしゃ)がいる時点で、彼らは結託する。彼らとてライオンや、他の動物の腹に収まる為に産まれた訳ではないのだから。


 有名なあるゲームにも居るから分かると思うが、本当に草食動物は強い(某ディアブロスとか)。

 トムソンガゼルなる生き物も、雄はライオンに立ち向かうなど、勇敢な姿を見せる。



 私が思うに、肉食動物で強いのは狼やハイエナではないかと思う。ライオンはハイエナを忌避しては居るが、同時に脅威として認めている節があるからだ。ハイエナも狩りの技術では負けておらず、力もライオンを凌ぐ場合があるというから驚きだ。

 (……熊は確かに最強だが、犬の方が総合的に見て強いと思う。特に群になった際の強さは段違いだ。一頭だけで見るというくびきなら、熊一択が安定である)


 狼の場合は、少々長くなりそうなので端折るとしよう。狼はハイエナと同じように筋力が強く、高い知能を有する為だ。これは狩りにおいてもそうだが、獲物を着実に追い詰める姿は紛れもなく狩人のそれだ。縄張り争いでも、知力を駆使して蹴散らすなど、利口である。


 因みに、犬という生き物は人間の想像以上に強い。

 うろ覚えだが、アイリッシュウルフハウンド、グレートデン、ドーベルマン、グレートピレニーズ、シェパードだったか。これらの犬は、大型犬だ。

 シェパードは警察犬として活躍していることからも分かる通り、利口で筋力もかなりある。


 そしてご存知ないやも知れないが、人間は生身で大型犬には敵わない。それどころか、中型犬にすら敵わない。それだけ素の力で犬に負けているということになる。(そもそも犬の祖先は狼であり、それでこの結果はある意味詮ないことである)

 訓練で犯人役の警察官が引き倒されるのも、それゆえの道理なのだ。


 そもそも人間という生き物の筋力は脆弱である。丸裸で自然界に放り込まれようものなら、まず三日と持たないだろう。

 強固な鱗や外皮を持たず、強靭な筋力もない。加えて、鋭い牙や爪など、強力な武器も持たない──無理もない話だ。

 上記の条件下で『ナイフ一本でもあれば生存率が飛躍的に上がる』というのは、ここに起因する訳である。つまり、ナイフが牙や爪に相当するということ。


 人間も、しかし何も取り柄がない訳ではない。

 兵器さえ手にすればまず間違いなく最強である。(ファンタジー世界で異形の生物に破れる場合はあるが、大体それは相手方が異常か、噛ませ側の練度不足だと思う)



 そもそも、人間の場合は武術がある為、それを知ってる者とそうでない者とで差が出る。武術込み、兵器ありきでは人間に敵う生物は居ないだろう。


 戦闘能力について様々語るような回になったが、如何だろうか。


 このように、それぞれの特性を意識して場面を組めば、戦闘シーンの華は頂いたも同然だろう。

 最強、チート、大いに結構‼

 だが、多少リアルな戦闘の方が迫力があって味わい深いのではないか──そう思う。


 これを読んでいる筆者諸君に全ての裁定権があるものの、戦闘というものを描く際は心して頂きたい。

 心理描写も成る程、肝要だろう。

 なんと言ってもやはり、華は戦闘である。


 斬り合いの場で主義主張を声高に叫ばずとも、信念の篭った一撃こそがきっと心に響くはず。

 或いは、心の強さこそが最も尊いということを覚えて頂きたく思う。



 では、また次回でお会いしよう。

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