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戦闘論(仮)  作者: 如月 恭二
12/17

一対多の恐怖。

二次創作乙とか言われませんよね、これ?

死亡シーンだから大丈夫……かなあ?orz

 どうも、如月恭二だ。

 ゲームをしていて、


 ──これはまた、なんとも……。


 と感じたので一筆(したた)めようと思う。

 以前、エッセイとして投下した“戦闘論”で、『ランチェスターの第二法則』に言及したことは覚えておいでだろうか。今回、如月は“寡兵の恐ろしさ”を嫌というほど体感した。

 そのゲームだが、名前位は聞いたことがあるのでは無かろうか。

 FromSoftwareから発売の、「ダークソウル」シリーズだ。

 高難易度として知られるゲームだ。それと言うのも、ダークファンタジー故だろう。

 すまない、話を戻そう。

 このゲームだが、鬱と中世暗黒時代の再現度も然ることながら、何処までも忠実に人間の打たれ弱さを再現している。

 以下、ダイジェスト風に描写してみた。映像を思い浮かべながら、筆者が叩きのめされるシーンを堪能してくれ(泣)



 ①死亡シーン:袋叩き

 不死者の騎士が、亡者の兵と向き合う。右手に剣、左には盾を有している。

 続けて、奥まった傾斜の上から亡者が殺到。三対一だ。

 圧倒的な物量差に辟易としつつも、目の前の敵に突きを繰り出した。


 「──ぐあ!?」


 しかし、向かって右手の亡者兵士が火炎瓶を投擲。出鼻を挫かれる形となる。

 炎熱が体力を奪う中、怯んだ間隙をついて左手の亡者が来襲。鎧の隙間を縫って短剣を突き立てられる。

 痛みに耐え、身をよじったところに、眼前の亡者が剣を降り下ろす。騎士は避けきれずに鎖骨を両断され、敢えなく力尽きるのだった。


 ②死亡シーン:遁走の先

 不死者の騎士は、二体の亡者を相手どって睨み合う。火炎瓶の投擲と白く閃く凶刃に肉体を蝕まれ、既に満身創痍だった。

 続いて奥まったところから更に二体。亡者の増援だ。


 騎士にとっては絶望的な状況である。

 ただでさえ劣勢だというのに、覆しがたい物量差だ。囲まれる事態と相成った。


 機をみて切りつけるが、四体居れば互いを支える戦いにもつれ込むのは明白だ。

 切り込んだ出端を、側面の亡者が挫く。

 完全な泥死合いだ。騎士は体勢を立て直そうと機動力を以て撹乱(かくらん)する。

 だが、劣勢と迫る恐怖によってか、彼の意識は断崖付近であるという認識から離れ──脚を踏みははずした。

 彼は滑落し、自由落下する。甲冑と自重も加わり、想像もつかぬ程の衝撃によって挽き肉(ミートパテ)を作り出すに至るのだった。



 ──さて、我ながら酷い最期ばかり迎えていると思う。

 しかし、真の意味で寡兵というのはデメリットが多い。


 考えてもみて欲しい。

 一人で四体もの敵を相手にしてマトモに立ち回れるか?

 答えは“否”だ。


 格下相手ならば、立ち回りに気を配れば問題ないだろうが、ある程度力量に差がないとそれは破綻する。

 では、仮に力量10と力量2の者が一対四だとするが、これは簡単だ。力量10の者が優る。

 初動で一人を潰せれば、後は消化試合だ。

 とは言え、力量が低いものはそれでも尚、連携という妙手を以て力量差を埋める場合がある。

 烏合の衆であれば、大した連携がとれない。そうでなくとも、力量が一番低い者を初動で惨殺することによって、士気の低下が期待できる。


 ──失礼(汗)。

 だが、力量10と力量5辺りからは難しい。

 なまじ力があるだけ、敵を排除する難易度と危険度が上がる為だ。

 なんだったか、“油断、慢心駄目ゼッタイ”だったか。

 まあ、冗談だが。時に実力が近い格下こそが危険だと私は思う。

 一貫性がないのが人。それは人でなくともそうだ。こちらが思うほど筋の通っているようなものではない。

 “手負いの獣が恐ろしい”というのはそこだ。


 獣は死が怖い。人間とてそうだ、ただそれと知らず本能で知っている。

 そんな連中が死にたくなければ何をしでかすか、まさに余人の知る限りではない。何がどうあれ、最期まで生きて立っていればいいのだからな。

 どんな痛手であろうと、命の危機に瀕しない限りは目を(つぶ)るだろうし、思いもよらぬ方法で殺しに来る。


 あらゆる不確定要素を内包した、無法の殺し合い──それが戦闘だ。それが戦争だ。


 そうなると大切なのは人の心にも踏み込むことだ。

 ある作品ではないが、「軍を形勢するのは複雑怪奇な人々の心」だ。

 奇襲を受ければ混乱もするし、同胞を殺されれば憤激する。

 劣勢時ともなれば、その心の揺れは想像するだに難くない。集団心理とはよく言ったものだ、集団となればあらゆる感情が伝播(でんぱ)する。

 それは武器でも弱点でもある。

 抗議デモであってもそうだ。

 一人一人の意見が大衆の中に埋没する。結果、“感情に流され”個々の意見という概念が薄れるのだ。

 デモが大規模化すると特に顕著で、建設的な意見が埋もれる。つまりはそこが弱点となる。



 とは言え、これはあくまでも現実の理論や理を述べ連ねたものだ。

 創作においてはその限りではないだろう。寧ろ、貴方様の作風をどうぞ活かしてくれたまえ──そう、存分に。

 何も私のように詳しく時代考証や背景を考えても、面白くはないだろう。王道ものなら王道ものを貫き、俺Tueeeeを披露してもいいだろう。

 ……ダークファンタジーはそうもいかぬやも知れないがな。


 ただ、戦闘をする前に劣勢時の立ち回りを、戦闘の非情を知れば作品が厚くなり、私も喜ばしく思う。


 尚、少数の兵力であっても、敵の軍団を打ち砕くものもある。ゲリラ戦術というんだが、まあいい。今回はここまでとしよう。

 


 ……しかし、なんだな。

 いつも思うことだ、この作品に評価が付いたその時から。

 「このような奇妙奇天烈なエッセイ紛い、それでも読んでくれるというのか」、と──。

 

 実に嬉しい。

 ──が、しかし同時にこうも思うのだ。


 「作品の雰囲気まで害しはしないのか」と。

 既にそれぞれの作風をお持ちの事と思うが、些か不安になってしまうことがある。

 願わくば作風を壊さぬようにして頂きたく思う。


 僭越ながらこの言葉を以て今回は締めさせて頂く。

 ──ありがとう。読んでいただき恐悦の至り。私は非常に嬉しく思う。

訳:……あ、ありがとう。←如月のデレ(誰得なのよorz)

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