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戦闘論(仮)  作者: 如月 恭二
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序章 戦闘とは?

 戦闘。

 読んで字の如く、“戦う”ということを指す。最早言わずもがなではあるが、そもそも戦闘は何故描かれるのか。そこに少し焦点を当ててみようと思う。

 

 戦うということは生物である以上、けして逃れ得ぬ宿業だと私は思う。何故なら、自然界というものは実に厳しく出来ているからだ。

 まさしく、『喰うか、喰われるか』。正鵠を射ているとはこのことだろう。縄張り争い、動物の雄達は繁殖期には雌をめぐって激しくぶつかる。


 だが、何も相手を叩きのめすばかりが能ではない。身を守るということも立派な戦闘行為だろう。武力を以て対処することこそが戦闘なのだから。

 これは、子孫繁栄の為、或いは護身の為などに行使する行為なのだろう。

 人間にしても、元を辿れば動物だ。文明という鎧を纏うようになった我々だが、本能というものを棄てることは叶わない。

 喧嘩、殺人、正当防衛などなど。毎日、武力とは無関係だとは思えないほどに武力は溢れている。拳ひとつ取ってもそうだ。


 始末の悪いことに、人間の場合利害関係という高次的かつ厄介なものに囚われる。戦闘の背景がややこしくなるほどに、泥沼化を起こしたり、長期化の一途を辿る訳だ。国と国の戦闘──戦争がこれに該当するだろう。しがらみ、思惑、復讐心。様々な感情があるだけに動物達とは違い、より複雑となっていくのだ。


 閑話休題。

 基本的に、武力というものは野蛮だと思われている。


 しかし、物語で戦闘に焦点が当てられるのは何故か。私はここに答えが在ると考えている。

 考えてみて欲しい。本当に戦闘というものは、粗暴かつ野蛮な物か。──答えは、“否”だ。


 守る為に武力を行使するということは分かりやすく、そして何よりも尊いものだ。愛する者を、旧知の友を守るということは素晴らしい美徳だろう。私はそう思う。

 また、何よりも物語の佳境で戦闘を行うのは誰か。


 ──そう、人間だ。

 感情を持ち、“生きている”者が、己の曲げられぬ信念。または、愛する者の為に鎬を削る闘いは胸を熱くさせてくれる。それだけではない。闘いから生まれる友情や人間模様は、けして日常では得られないものである。


 時には命を賭して、闘いに身を投じる姿は格好いいと思う。

 緊迫感溢れる死地にて、互いの息遣いすら分かりそうな距離で命のやり取りを行う内、相手のことが多少なりと分かるかも知れない。そして繰り広げられる人間関係や友情の数々。


 今日改めて戦闘という行為について触れてみて、色々と考えさせられる。実に不思議だ。だが、同時に納得でもある。人間は距離が近くなれば近くなるほどに親近感が増す。そう考えると、野蛮に思えなく成ってくるから分からないものだ。勿論、相手が「生きている」ということを認識して殺せないだとかそう言うことに繋がって来るのだとも思うが……。


 これらを踏まえた上で、戦闘とは“活きる”ということではないかと、私は思う。

 小説で大事なものは、大別して二つある。

 ひとつは物語。これは既に皆様が既知のことであるので、恐縮なのだが……。

 もうひとつは、人物だ。物語の中枢となる人、つまりは主人公や彼ら彼女らを取り巻く人々でもある。そんな人が、泣き笑い、紆余曲折を経て不和が在りながらも一致団結していく。人として生き生きしている人間にこそ、読者は惹かれるものだと信じている。

 現実味(リアリティー)を生み出すことも大切だと思うが、どうだろうか。


 それは装備の重さか、風に巻かれて遊ぶ草いきれか。はたまた疲弊して肩で息する男の姿か。色んな手法、表現が在ると思うが、戦闘にも現実味を取り入れる。そうすることで、また一層引き立つことだろうと思われよう。


 

 もし、少しでも共感できると思ったのなら、付き合って欲しい。そうであれば、私も嬉しい限りだ。


 (リアル剣術についてもいずれ触れようかと考えている。次回も乞う、ご期待‼)

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