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「魔法マジパネェ…」

更新が遅れました。

基本平日のみの更新になります。

「んん~~~」


『梨花様おはようございます』


「ん~~あと5分~~~」


『梨花様。』


「ん…あれ、ここは?お母さん?」


『梨花様ここはテントの中でございます』


「……あ~~~そっか…私異世界に来たんだっけ?」


昨夜は夕飯を食べて直ぐに眠ってしまった梨花。

自分の不安をぶちまけ、お腹が満たされた事により、一気に安心してしまったのだろう。


梨花自身所謂「寝オチ」してしまった事に気がつかなかったようだ。昨日の記憶が若干混濁しているようである。


その証拠に自身のスマホの呼びかけに対しお母さんと問いかけてしまうほどである。


なお、問いかけられたスマホはスルーしていたようだが…

寝ぼけた頭を起こし。梨花はスマホに促されるまま朝食をとる。


本日は某コンビニで売っている金文字シリーズである。

いつもなら高いのでそんなに手をだしていないのだが、その新作が置いてある・食べない理由はない。


朝食をとり終えた梨花はふと、どうしても聞いておきたい。というか今すぐ解決したい問題をスマホに問いかけた




「ねぇスマホちゃん。お願い、というか困ってる事があるんだけど」


『なんでしょうか梨花様』


「うん。あのさ、私お風呂入りたいんだよね。というかシャワーだけでもいいから、身体を清潔にしたいんだよね…」




梨花は制服のまま眠ってしまったので、少し皺になってしまっている。これ以上被害が拡大する前に着替えたい。


だが、着替えるのならばお風呂、兎に角清潔にしたい。という思いが強い梨花。


普通なら、こんな森の中で「身体を清める」などは川にはいるか、

それか濡れたタオルで身体を拭く位しかできない。


が、今は普通ではない。スマホが喋る。謎に設備が整っているテントもある。


そして、何より今梨花が居るのは異世界である。

普通でない解決策ももちろんあった。


『では、清浄魔法を使用しましょう』


「せ、せいじょうまほう?…まほう?魔女とかが使う?」


『はい、ございます。この世界では男性の魔法使用者もおりますが』


そう、ここは異世界

魔法があるのである。

ただし、残念な事に梨花は現代ではギャルである。


放課後は友達とつるみ、カラオケに行き、アルバイトをし、ファッション雑誌を読んでいるような女の子なのだ。


彼女の友人の中にはアニメや漫画が好きな子もおり、その経由で色々貸してもらったりしていた。


しかし、彼女が見ていた魔法を使っているアニメの最古の記憶が日曜朝にやっていた杖を振り、摩訶不思議な呪文を唱え、変身する。魔法少女アニメであった。


つまり何が言いたいかというと…普通ならばテンションの上がる魔法という言葉も梨花にとってはいまいちぴんとこないのだ。




『では、梨花様ここでの清浄魔法は少し不安が残ります。一度そのまま外に出て下さい』


「このままね?うん!わかった!」




不安が残るという言葉に何の不安を抱かないままテントにでる梨花。

どこまでも素直なギャルである。

テントの外にでるとそこには昨日と同じく鬱蒼とした木々があり、身長が高い木の為か、日の光はあまり差さないようであった。


そんな森の様子がきになりはするが、

とりあえず。汗がべたつく。汚れている。落ち着かない。魔法!と気持ちを切り替えるのである。




『では梨花様、先程魔法を使うと申し上げましたが、正確には梨花様が魔法を使うのではなく私を媒体として魔法を行使していただきます。梨花様は異世界に喚ばれたばかりですので…まだ魔力がなじんでないと思われますので』


「んー?という事は暫くしたらスマホちゃんを頼らなくても使えるようになんのかな?私も」


『はい』


「そっかー!じゃあスマホちゃん最初はよろしく」


『はい、お任せ下さい。では梨花様にはやっていただきたいことがございます。デスクトップ上にある「魔法書アプリ」を開いて下さい』


「ん?おー…た、確かにあるね。いつのまに…」




自分で魔法とやらが使えない事は残念だが、徐々に自分でも習得できることが解り、安心する梨花。


そして、デスクトップには梨花が見たことのないアプリが確かにいくつかあり、それに驚く。しかもどれを見ても今の梨花にはよくわからないものばかりである。



『昨日梨花様がお休みになられたあと、スマホの更新を行いました。なので私は昨日の内にこの世界と完全同期を行いましたので、その際に使用するであろうアプリを梨花様の目につきやすい所に置いた次第です』


「んん?なんかよく解らないけどスマホちゃんはこの世界にソッコー馴染んだんだね!そのお陰でこれが使えるんだ!ありがとう!」


『勿体無いお言葉です。そしてアプリの検索で梨花様の今したいことをキーワードで検索して下さい』


「したいこと…お風呂で検索…っと…あれ?1コしか出てこなかった」




梨花が検索をかけるとシャワーの様なイラストが書いてあるアプリが1件しか該当していなかった。


梨花としてはお風呂=湯船という印象がある故に違和感を抱いたのである。が、それ1件しかないのであれば梨花の今の状況を改善する為にはそれが最適で、それしかないという事なのだろう。



『梨花様のレベルではおそらくそれが限界なのでしょう。レベルが上がれば検索アプリも増えるかと思いますので…では起動をお願いします』


「レベル…?うん。わかった。」


スマホが自分で更新をするなんてすごいなぁ…


とか


レベルってなんだろう…?ゲームみたいだなぁ



と色々梨花としてはツッコミたい事もあったが、梨花はとりいあえず最早『自分の意思があると言っても過言ではないスマホ』に対して信頼を寄せており、必要があればまた聞こうと考えた。


梨花はスマホのアプリを起動させる。すると「行使登録ワードを登録してください」という表示が出た。


当然、梨花は解らないのでスマホに聞いてみる。




「スマホちゃんこれ、どういう意味?」



『梨花様がそのアプリを起動したい時、一々画面を操作するのも面倒かと思います。よって、梨花様の音声と何か鍵となる言葉を梨花様自身で考えてもらい、それを発する事により魔法を瞬時に発動できるようにするのです』


「なるほどー魔法の呪文ってやつね!……う~んじゃあシャワーっぽいから…【シャワる】で!」


『登録ワード『シャワる』ヲ確認。登録、以後音声ニヨル自動発動トシテ認識シマス。ナオ、次回以降コノ操作ハナクナリ、登録ワード認識後スグノ魔法コウシトナリマス』




梨花が若者特有の短縮言葉を唱えると、スマホからスマホちゃんではない別の機械音声が聞こえる。


直後スマホのカメラレンズ部分から梨花が見たことない幾何学的で不思議な模様の光が目の前の地面に投影される。


そしてその光の中からシャワーヘッドが出現した。


梨花がその地面からシャワーが生えてくる姿をみていると


『再度登録コードヲオネガイシマス』


「あ、うん。【シャワる】」



ブシャアアアアアアアアアアッ



ピチョンッ



ヒュンッ



梨花が呆けながら再度コードを発音する

すると、目の前で生えていたダケのシャワーから梨花に対し大量の水がかけられた。


暫くすると最後の一滴まで水を使い果たしたかの如く水滴音を鳴らし、一瞬でそのシャワーと幾何学的な模様が消えたのだ。



梨花は突然の水圧にスマホを持ちながら成す術なく固まっていた。



「………スマホちゃんこれなんとかなんないの………?」



『恐らく梨花様のレベルが足りないかと思われます。後々、上がっていくと細かい設定が出来るかと思いますので、梨花様暫く耐えて下さいませ』



「またレベル…はぁ…わかったよ。でもこなに濡れるならスグ着替えないと風邪ひく…ってあれ?!乾いてる?!」



『梨花様、これは魔法でございます。水も特別なんです。速乾性抜群でございます濡れるのは一瞬なのです。』



「成る程!魔法すごい!すごいよスマホちゃん!」



魔法の乱暴さに一瞬愕然とし、不満を零す梨花。しかし、スマホによる説得力が微妙にない説明をされている間に、あんなにびしょ濡れになった髪や衣服がのすぐに乾いたのだ。


魔法すごい!という気持ちが嫌な思い出を瞬殺したのである。良くも悪くも単純なのである。


そして梨花はさらに驚く事になる。

ただただ水を被らされただけかと思ったあの行程だが、あれだけで、自身のベタついた汚れ、制服の皺、土汚れ、髪の毛はブローしたてのふわふわになっており、まるで自宅のお風呂に入った後のサッパリ感が生まれたのである。


改めて


「魔法マジパネェ…」


と感動している梨花なのであった。














梨花はヲタク知識はあまりありませんが

友達の影響や交流サイトでの影響を受けており、たまにそれがでてしまいます。


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