走る疑惑
僕の読んでいた本を取り上げたアイルさんの背中を見ながら僕は考えていた…
いつも笑顔のアイルさんが何故あそこまでして僕を『空』から遠ざけようとしたのか…
それでも僕の中には『空』に対する好奇心が満ちていた
ここまで僕を引きつけたものはなんだったんだろうか…
しかし、僕が図書館であの本を再び見ることはできなかった…
2
レグリアに収容されている子供達の中にもグループが分けられている。
それはすべて無作為に決められ、物心ついたときから一緒だった仲間がいる。
しかし統一して全員が何故ここに閉じ込められているのか分からない
『どこ行ってたの?』
そう聞いて来たのは同じグループのネルだ
『なんでも無いよ』
『嘘つかなくてもいいじゃん バレバレだよ』
何故かネルは人の嘘を見破るのが得意だった
『図書館だよ…ちょっと気になることがあって…』
『ふーん…本当のことみたいだね で、気になることって?』
『空なんだけど…ネルは空って見たことある?』
『あるわけ無いじゃん 私たち生まれた時から箱の中なんだから』
『だよな… なぁネル…空見たいと思わないか?』
『そりゃ見れるなら見たいけど…』
『見に行かないか?』
『え?そんなことできるの?』
『空ぐらい見るだけなら大丈夫だろ…別に出ていくわけじゃ無いんだし…』
『それならいいかも』
『だろ?じゃあ決まりだ アイルさんに頼んでくる』
ネルを連れて僕は図書館へ向かった
するとアイルさんが誰かと話している声が聞こえた
『子供の1人が空の存在を知ってしまったみたい…』
『何故そんな本をここに置いていたんだ!』
『気づかなかったのよ!そんなものがここにあるなんて!』
『とにかくだ!空のことは絶対に知られてはならんからな!』
僕とネルはすぐにその場を離れた
空の存在を知ってはいけない?何故?僕達が知らない何かがこの研究所にはあるのか…




