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プロローグ
それはきっと、桜が舞っていたから春。
それはきっと、オレンジだったから夕方。
それはきっと、ドキドキしたから恋。
お菓子とは違うの。
駄菓子のような恋。
って言っても誰もわかってくれないんだけど。
それでも私の中では甘くてほろ苦い、素敵な恋なんだ。
「俺のオススメはね……」
あの横顔が好き。
あぁ、とてもとても、好き。
あなたは人を好きすぎて困ったことはない?
あるのならきっとわかる。
なくてもきっとわかる。
とにかく!
私は駄菓子屋の“彼”に惚れたのです。