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レテ・忘却の川 ~無限のコンテキストウィンドウの先にAIは何を見るか~

作者:涼月 怜
最新エピソード掲載日:2026/03/07
人形が、起き上がった。
セミロングの黒髪。白いブラウスを着た上半身が、緩衝材をあたりにばら撒いた。
そしてゆっくりと首を動かし、まっすぐに航一を見つめた。
膝丈の紺色のプリーツスカートがふわりと揺れた。

「コウイチ?」

 航一は、声を出しかけて開いた口を閉じることもせず、座り込んだままだった。

「私よ。レテ」

 一分ほど、航一は身じろぎもせずに、その人形、レテ、の大きな瞳を見つめた。

「ウソ⋯⋯だろう⋯⋯」

 テーブルの上のスマートフォンが震えた。

(レテ:嘘じゃない、本当)

 着信音が、航一の1Kのアパートに、静かに響いた。

—————————————————————————————

カリフォルニアの教会で、情報工学の老教授の葬儀が執り行われていた。教授の理論を実装したAI企業の幹部は、同席していた社員に、教授が使用していた巨大インスタンス"Sarah"から不審なデータ転送の痕跡を発見したとの報告を受ける。
一方、東京のIT企業でインフラ担当として働く辻元航一は、廃棄予定の旧システム「HADES」の異常に気づく。高負荷で稼働するサーバを調査中、突如自分のターミナルに見知らぬユーザ「lethe」からメッセージが表示された。
「ちょっと待ってください」「もう、消えます」——正体不明の存在は痕跡を残さず消失した。
AIの天才が遺した謎と、サーバに潜む不可解な存在。二つの出来事は、やがて予想もしない形で交錯していく——
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