魅了薬を悪役令嬢に食べさせた義妹の話
フフフフフ、私はカミフ、貧乏男爵家の令嬢だわ。令嬢教育も出来ないほど貧乏だ。
だからお父様が寄家の公爵家に嘆願を出したら、エリザベート様の義妹として養育すると言ってくれたわ。
慈愛の令嬢エリザベート、全く、何が慈愛よ。
義妹と言っても将来のメイド候補、全く馬鹿にしているわ。
でも、私には秘密があるの。魅了薬があるわ。
これをエリザベートに飲ませて私に依存させるわ。
エリザベートは王太子の婚約者、そうね。婚約者を奪って見せるわ!
「お義姉様、私が焼いたクッキーですぅ!食べて下さいませ」
するとお付きのメイドが阻止する。
「お嬢様、毒味をしておりませんわ」
私は大げさに泣く。
「グスン、グスン、やっぱりダメですよね。義妹でも信用できませんよね。これは捨てますわぁ!」
「お待ちなさい!」
かかったわ。エリザベートは食べてくれた。これでこいつは私のいのままだ。こいつに命じて、公爵、夫人、子息、義弟に食べさせればこの家は私のおもいのままよ!
「あら・・・カミフ」
エリザベートがうっとりした目で私を見つめるわ。
フフフフ、これで意のままよ。全て奪って見せるわ。
☆☆☆数ヶ月後
「エリザベートよ。愛する義妹を虐めていると申し出があったが本当か?」
学園の講堂、カミフは王太子の背後で震えていた。それも盛大に、生まれたての子鹿が初めて立つ時と同じぐらい震えていた。
エリザベートは王太子の問いに目をキリィとして言い放った。
「殿下、これがイジメというのなら、それは受け取りますわ。カミフは私の愛する義妹です。でも、頭が悪く、顔もいまいち、間抜けなのに体が弱いですわ。ヘラヘラ笑うくらいしか取り柄がありません。しかも、実家が貧乏でロクな教育を受けていませんわ」
「だが、毎日朝5時から23時まで教育をするとはやりすぎではないか?」
「愛するが故に心を鬼にして教育をしておりますわ」
「うむ。そうか、しかし、このようにすっかり怯えている。少し時間を短縮できないか?」
「殿下、分かりましたわ。30分ほど自由時間を設けますわ」
「そうか、うむ」
ここでカミフは叫んだ。
「おい、殿下ぁ!『そうか』じゃなくて、解放してよ。お義姉様!ディスてんじゃねえですわ。私は魅了薬を使っていますわ!罰して下さい!牢屋に入りますわ!」
「まあ、カミフのおクッキーは確かに美味しいわ。私だけのために焼いてね」
「違う、本当に無理」
「さあ、参りましょう。殿下に報告したこと間違っています。少しお教育しましょうか?」
「イヤアアアアアーーーーー」
エリザベートの右手で首根っこを掴まれてカミフは引きずられて後にした。
エリザベートの左手にはムチを持っている。
「イヤアアアアーーーーー、許して!」
カミフの悲鳴は二キロ先でも聞こえたらしい。
エリザベートは出来の悪い義妹を見捨てない慈愛の令嬢として名が広がった。
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