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第6話

 私たちは駅へ早めに歩いて行きました。ファーエンドの駅は無人駅でしたが列車は流線形で銀色の列車でした。列車は定刻通りにつきました。乗るときは何事もなく、乗れたのです。私たちは、少なくとも私はこれから一波乱あるなんて思ってもみませんでした。

 だから、私はのんきに食堂でレモネードを飲んだり車窓から外をながめたりしていました。

 列車は一等車と二等車、そして3等車の各客車と食堂に分かれていました。

 私たちは旅費を節約するために二等車に乗りました。一等車だと一人一つのベッドですが、私は、はしごを登って寝るなんて初めてだったので、アリスさんには子供っぽいと笑われましたが、私の気持ちはひそかに浮き立っていました。出発は確か18時頃だったので、2時間ほどした頃でしょうか、車掌さんがある乗客がいない事に気が付きました。それは1等車の7号室の乗客でした。私たちは緊急事態として食堂に集められました。車掌さんは手短に説明した7号車のステファン様がおられませんと。その時に黒髪の女性—クレアさんがよくあることですかと尋ねました。車掌さんは迷ってから、脂汗を拭いつつ「お恥ずかしながら、そうです」と認めました。その言葉が引き金になったのか、食堂車の奥で、激しい怒鳴り声が上がりました。

「おい、お前だろ。ステファンを消したのは」

 低い合成音声を発したのは、全身がクロームメッキで輝く、男性型のアンドロイドでした。彼もまたエターナルズです。

 対して、彼が睨みつけている相手は、ライオンのような耳と尻尾を生やした、派手なボンテージファッションの獣人少女でした。彼女もまた、強大な魔力を放つ転移者の一人です。

「はあ? 何言ってんのこのポンコツ。思考回路がショートした?」

 獣人の少女は、牙をむき出しにして嘲笑いました。

「とぼけるな。昨日の夜、ステファンに『貸した金を倍にして返せ』と詰め寄っていたのを、私のセンサーが記録しているんだぞ。返せない彼を始末したんだろう、この野蛮人が」

「ああん!? それはあいつがポーカーでイカサマしたからでしょ! ていうか、あんたこそステファンの持ってたレアアイテムの短剣、ずっと欲しがってたじゃん。『譲ってくれ』ってしつこく付きまとってたの知ってんだからね!」

 二人の殺気がぶつかり合い、食堂車の窓ガラスがビリビリと震えました。

 エターナルズの乗客たちは「やれやれ、またか」といった様子でニヤニヤと眺めています。現地人の乗客はそもそも何もできないと思われたのか、呼ばれていませんでした。

「まあまあ、落ち着いてください」

 クレアさんの声がしました。

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