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第5話

 一週間の間、私はアリスさんの家に泊まりました。私のベッドはアリスさんのベッドの隣になりました。アリスさんの家の物は少なすぎるのです。アリスさんはそういう人でした。

 ある日のこと、私とアリスさんは何だったか、一緒にお菓子を作りました。小麦粉をこぼして笑ったり、オーブンの前でじっと焼き色を見守ったり。

アリスさんは「昔、学校で習ったんだよ」と言って、手際よく生地を丸めていました。


 彼女の髪の匂いが良い匂いがお菓子の匂いと混ざって、私は夢見心地になりました。


 「アリスさんはどうして、私を助けたんですか?」出発の前日、ベッドで横になりながら私はアリスさんに尋ねました。

アリスさんは、意外そうな顔をしてから語りだしました。

 「私には、親友がいてね。ユキと言う名前の黒髪の娘で、私と帰還運動をしていたんだ。こう見えた私は5000年前に転移してきた最古参で、ユキもその一人だったんだよ。君は日本の四国を知っているかい?

私の父は四国の徳島で働いていてね。私は大学で日本語と歴史学を専攻したからね。どっちの学位もとる前に転移しちゃったけど」アリスさんはククッと笑いました。その声は少し寂しげで、ユキさんのことを思い出しているようだった

「本題からそれちゃったね。この世界にはなんとその四国に似た地形があるんだよ。と言ってもここもほとんど北米大陸だしね。それはそうとエターナルズの中でもそこに入植するのは四国出身者が多かったからね、88か所―いわば宗教上の聖地を再現しようとしたんだ。ただ、一部は現地人の宗教施設と被っていたからね。ファーエンドほど差別が強くなかったから、私たちは代替地を探すことにした。そして私たちは見つけてしまった、あの場所を。あの場所は88か所の再現をするならより、適した位置にあった。入植者が気付かないのはおかしいとその時点で思うべきだったんだ。そこは邪神を封印してある神殿、いや伏魔殿だった。伏魔殿で私とユキは邪神を倒したと思う。けれど、ユキの姿は見えなくなった。エターナルズを殺せるのはあの邪神と同程度の神だから、滅多にない事件を起こした帰還運動は、元々、手がかりさえ見つからず下火になっていたのにさらに盛り上がらなくなった。私自身、疲れたからファーエンドで休むことにした。ずるずると数千年も休んじゃったけどね。」

 一呼吸おいて、「君はユキに似ている。君とは人種も色々違うけど、雰囲気が」

アリスさんの言葉を聞いた私は眠れなくなっていました。胸がしめつけられていました。



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