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ダンジョン完全攻略するまで終われない配信を始め早10年、配信を切れないことが発覚  作者: tanahiro2010
第一章

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7/17

005 戦闘終了、夢からの目覚め

 拳での戦闘に切り替えて、最初に動き出したのはバルグラムだった。

 それはもうさっきよりも生き生きとした表情で、僕に向かって駆けだしてくる。僕が拳での戦闘も


 刀を捨てる判断をしたのは賢明だったかなと、今更ながらに思った。

 というか、もっと早くに捨てておけばもっとダメージも与えられただろうに、とも思った。


 ――バルグラムの拳が風を裂いて迫る。頬をかすめた衝撃に、皮膚が焼けるように熱くなった。

 反撃の膝蹴りを叩き込むと、鈍い音が腹に響き、相手の体が折れ曲がる。

 しかし――掴まれた手首に力が籠もり、逃れようとした瞬間、肩口へ頭突きが落ちた。

 骨が鳴り、視界が一瞬揺らぐ。だが、その隙を狙って、渾身の肘を相手の顎へ叩き上げた。


 ――対等に戦えているッ!

 喜びが全身を駆け抜け、アドレナリンの大量分泌。

 しかしそれも一瞬のことで、少し油断した途端にいつの間にか態勢を直したバルグラムからの拳が僕の脳を揺らす。


 視界が衝撃に揺らぐ中、なんとか相手の腕をつかみ――背負い投げ。

 背中からの衝撃に驚くバルグラムの上に乗り、呼吸を整える。


「そろそろ肉弾戦にも飽きてきたなぁ...」


 僕を上から放そうと暴れるバルグラムの四肢をつかみ、一瞬の思考。


 ――めんどくさい。もういいや。


 結論はすぐに出た。次の瞬間、僕の掌が淡く光を帯びる。


 ――《雷黙》


 音も閃光もない。ただ、触れている掌から“静電”がじわじわと這い上がり、筋肉の奥を侵す。

 バルグラムの体が痙攣し、怒声が掠れ、次第に沈黙していく。


 怒りを力に変えるはずの四天王が――怒りの表情を張り付けたまま動かなくなる。


 神経を乗っ取り、心臓を停止させた。


 必死の抵抗も虚しく、力は抜け落ち、ただの肉塊へと還っていく。


 ......その瞬間、僕の視界はまたもや暗転した。


――――――――――――


【実況】我らが勇者の夢を実況しようの会【拳 vs 四天王】


1543 :名無しの視聴者 :2025/10/01(水) 18:33:22.19 ID:7dJ8QkL

うおおおお拳で殴り合ってる!!

賢者なのに殴り合いが似合いすぎてて草


1544 :名無しの視聴者 :2025/10/01(水) 18:33:25.77 ID:Q4hfszE1

いや強すぎるだろ、四天王と互角じゃん

刀いらんのかよwww


1545 :名無しの視聴者 :2025/10/01(水) 18:33:29.14 ID:Vnh3uPq2

膝蹴り入ったああああああああ!!!

バルグラム苦しそうwww


1546 :名無しの視聴者 :2025/10/01(水) 18:33:33.40 ID:oRe6vZj9

やべ、こっちまで血の臭い感じるんだけど……

配信でここまで伝わってくるとかおかしい


1547 :名無しの視聴者 :2025/10/01(水) 18:33:37.12 ID:9YpStLbN

背負い投げ決まったああああああ!

賢者柔道やめろwwww


1548 :名無しの視聴者 :2025/10/01(水) 18:33:41.05 ID:kR3WJvH2

いやマジで格闘で押してるのやべえ

四天王が完全に人間に遊ばれてる……


1549 :名無しの視聴者 :2025/10/01(水) 18:33:46.81 ID:3nFjTeJk

「飽きたなぁ…」って声ゾワッとした

今の賢者、完全に別人みたいじゃなかったか?


1550 :名無しの視聴者 :2025/10/01(水) 18:33:52.09 ID:E2tLpTfX

おい手光ってね?魔術来るぞこれ


1551 :名無しの視聴者 :2025/10/01(水) 18:33:56.77 ID:z1dV9aSy

雷撃!?いや違う、音も光もねえ……

なんかバルグラム痙攣してるんだけど


1552 :名無しの視聴者 :2025/10/01(水) 18:34:00.63 ID:flwDkQ0k

あれ……?

四天王死んだ?一瞬で……?


1553 :名無しの視聴者 :2025/10/01(水) 18:34:03.22 ID:trnJ5mZk

静かに殺したぞ今……

普通もっとド派手な必殺技で倒すだろ、これ怖すぎる


1554 :名無しの視聴者 :2025/10/01(水) 18:34:07.11 ID:Wq8xJ1gk

「雷黙」って言ったよな? 黙る雷?

名前からして不吉すぎる


1555 :名無しの視聴者 :2025/10/01(水) 18:34:11.12 ID:H2cTzvVj

え?暗転した???

また夢か?ノイズ混ざってるんだけど……


1556 :名無しの視聴者 :2025/10/01(水) 18:34:16.34 ID:sbG7l9Zt

やばい、また頭痛してきた

誰かの声、入ってるよなこれ……


1557 :名無しの視聴者 :2025/10/01(水) 18:34:20.22 ID:pgmR4aYd

……え、待って

俺ら今ほんとに“見てるだけ”だよな?

勝手に触れられてないよな???


1558 :名無しの視聴者 :2025/10/01(水) 18:35:33:19 ID:H2cTzvVj

あ、元の配信に戻った


――――――――――――


「んぁ...?」


 ――見慣れた天井だ。

 目が覚めた時に、そう思った。


「かえって...来たのかな?」


 ごつごつした天井。ごつごつした床。そして、ちゃんと思った通りに動く体。

 やっと帰ってこれたのだとそう気づいた。


「痛ッ...!」


 体を起こそうとすると、腰が悲鳴を上げる。

 ...おじいちゃんかな?


 いくら強くなっても骨の廊下にはあらがえないこの事実と不老なのになんでこんなことになってんだというジレンマにさいなまれながらも、無理やり体を起こした。


:お、起きたか

:あれ何だったのかな

:お前って四天王と戦ったことあるの?

:魔術失敗かな?


「起きたよ起きたよ、何があったんだろうね?」


 そうつぶやきながらも、コメント欄をさかのぼる。

 何かおかしなことは書き込まれていないかなとログを見ていると――


「...もしかして君たち、僕と同じ”夢”見てた?」


 ――何人かが画面に異常をきたし、中世ヨーロッパ世界の映像を見ていたというコメントが複数件見つかった。


:おう、見てたぞ

:なんか投影されてた

:あれ誰だったんだ

:虚空記録層使ってたしお前じゃないの?


 みんな...普通に見てたね。え、僕だけの夢じゃなかったってこと?

 どうやら配信ジャックされてたようだし、やっぱりこれもダンジョンの異変の影響なのかな。

 いやでも、ダンジョンの異変はボスにしか影響しないのでは...?


「うーん...わからんなぁ」


 一つ可能性があるとするならば、1001階層のボス、それか神的な存在からの干渉が可能性高いのだけど...いかんせん、情報が少なすぎてわからない。

 もしこれがボスからの干渉なら、ボス部屋からボスが出てこない、外に干渉できないという常識が壊れてしまうし、結局どうすればいいのかもわからない。

 現状、この状況が【虚空記録層】なのか異変なのか、何もわからない状態なのだ。


 コメントをちらりとみるも、「なんだったんだ」や「虚空記録層の暴走?」など、疑問の声にあふれている。

 もう一度【虚空記録層】を行使したとして、こんどまた変な暴走を起こしても大変だしなるべく使うことはやめたいし――


「とりあえ、ボス部屋に向かうかぁ」


 それくらいの結論しか、僕は出すことができなかった。


...

......

.........


 もやもやした気持ちを抱えながら進むこと1時間くらい。

 敵がいないため、特に時間がかかることもなく予想より早くボス部屋の前に来ることができた。


「これが1001層へのボス部屋かぁ」


 見上げてみると、僕50人分くらいの高さはある扉がそびえたっている。

 大きいなぁ...


 ダンジョンのボス部屋前の扉は、素材はわからないけれどまるで鋼鉄でできているような質感をしている。

 それに、大きさだって馬鹿みたいに大きいのに、特に力を入れないでも触れるだけで開けることができるから不思議である。


:ついにか

:でかいなぁ

:ボス部屋まで一瞬で来れたな

:...扉あいてね?


 コメントを確認する。特に気になるコメントは...扉あいてる?


 急いで扉を見るも、特にあいているようにはみえない。

 勘違い?見間違い?様々な選択肢が頭に浮かぶも、さきほどの虚空記録層のせいで妙な違和感が頭から離れない。


 ――そういえば、このコメント投稿した人見たことあるな。

 確か...ダンジョンの罠について話してるときに新型の罠を見つけてくれた人だったか。


 気づいた瞬間、背筋が凍る。ということは、このコメントにも信憑性が?

 おそるおそる、扉の前へ移動。いつもだったらテンションを上げて盛大に突撃するところだけどもちろんそんな余裕あるはずもなく――僕は、その扉に手をかけるのだった。


あとがき――――

はやめのスランプかも

めっちゃ小説書きにくい

テンション上がらないせいなのかな...


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