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ツバオ一家大ピンチ?

『ツバメ亭の夫婦漫才〜渡り鳥、ヨタヨタ出発〜』


(ある晴れた秋の朝。巣の前で風がそよぎ、出発のとき)


ツバミ(シャキッと羽を伸ばして)

さぁ、ヒナたち!いよいよやで。南の楽園へ、ひとっ飛びや!


ヒナたち(元気いっぱい)

うんっ!羽もピカピカやし、準備バッチリ〜!


ツバオ(ヨロヨロ登場)

……ま、待ってぇ〜……はぁ……はぁ……。

お、俺も今から……スタート……!


(羽ばたくも、空中で一回グラッ)


ツバミ(冷たく)

こら、あんた。もうすでにゼェゼェ言うてるやん。

やっぱ言うたやろ、「体、絞れ」って。


ツバオ(苦しそうに)

そ、そんなん……わかってるけどさ……

あの夏の猛暑……体動かすと暑いやん……

で、ちょっとだけ……アイスネクター……飲みすぎただけで……


ツバミ

“ちょっとだけ”で、腹まわりがモモンガ並みになったん誰やっちゅー話や。

しかもこの前、“渡り用の風”にも振られてたやん?


ツバオ(泣きそう)

だって風が……俺の重みにビビって逃げたんやもん……!


ヒナA(心配そうに)

パパ、がんばって!もうちょっと痩せたら風さん戻ってきてくれるよ!


ツバミ(ため息)

もうしゃーないな。

じゃ、今日のルートは“ゆるやか低気圧コース”で行くわ。

あんたのために寄り道つき、給水ポイント多め、坂道少なめコース選んだげる。


ツバオ(感動)

うっ……ツバミぃ……!

そ、そんな優しさ……俺、惚れ直す……!


ツバミ(ビシッと指差して)

ほな、冬越す前にちゃんと絞りや?

来年の春、巣まで這って帰ってくるハメにならんように。


ツバオ

……うん、俺……

今年の渡りで変わる……!


(ツバオ、ふらふらと飛び立つ。が、後ろからサポート用の小型気球がヒモでついている)


ヒナたち(爆笑)

パパ、風船ついてる〜〜!


ツバミ(ニヤリ)

それ“お助け気流パック”。今だけ限定。

次回の渡りにはないからな。


ツバオ(小さくなりながら)

……来年こそ……俺、軽やかに舞ってみせる……



**『ツバメ亭の夫婦漫才〜南国なんて遠すぎる〜』**


(渡りの途中、とある道の駅的な電線にて)


ツバオ(ヘロヘロ)

はぁ……あかん……もう無理……今日ここで一泊しよ……


ツバミ(腕組みして睨み)

また!? 昨日も“あんよが痛い”ゆうて泊まったやん!


ツバオ(泣きそう)

いや、今日の風がね……こう、ワシに冷たくて……

俺が飛ぼうとした瞬間、「お前はまだいい」って顔でスルーしてってん……


ツバミ(冷静)

……風に顔はない。


(ヒナたち、腹ペコでうずくまる)


ヒナA

ママ〜、いつ着くのぉ〜?

他の家のヒナたち、もうインスタに「南の島なう」ってあげてたよ……


ヒナB

うちだけ、まだ「関西圏なう」なんだけど……


ツバミ(目を見開いてツバオに詰め寄る)

なぁ、アンタ、何泊しとると思っとる!?

もう7泊8日やで!? 渡りの旅やのうて、ツアー旅行の長期滞在プランなっとるやん!!


ツバオ(言い訳モード)

だ、だってさぁ、去年より宿代上がってるし、早朝割引逃したし、急に円安きたし……


ツバミ(ピシャリ)

何が“円安”や、うちら物々交換やろが。

今朝の宿なんて「小バッタ3匹」で泊まれたのに、

あんた「特大ミミズしか無理っす」とか言って断られとったやん!


ツバオ(ぐぬぬ)

……だって、特大ミミズ食べたかった……


ツバミ(呆れMAX)

あんたのその食欲が、今の“遅延家族”を生んどるんや!!


(スマホならぬ、“風のうわさネット”が聞こえてくる)


近くのツバメA(遠くの枝で)

え、まだツバオ一家着いてないの?

ウチなんてもうビーチで3回羽浴びして、

ヒナはウクレレ習い始めたよ〜!


ツバミ(小声)

……ほら聞こえた。恥ずかしいわ。


ツバオ(土下座飛び)

す、すまんツバミぃぃぃぃぃ!!!

俺、今日から本気で飛ぶ!休まず、寄らず、真っ直ぐ南へ!

ど根性!根性ツバメや!!!


(意気込んで飛ぶが、5メートル先でまた失速)


ヒナたち

パパぁぁぁぁぁ!!!


ツバミ(羽をおでこにあてて)

……次の休憩ポイントで、「ツバメ用リハビリ施設」探そ。



『ツバメ亭の夫婦漫才〜俺たちの冬は沖縄で〜』


(11月某日、南の空。雲間から南十字星がチラリと輝く……はずが――)


(ザァァァァーーーン!と波の音)


ツバオ(オス)

……なぁツバミ、もう……ここでええやろ。

もうちょい先って言うたらたしかにフィリピンやインドネシアやけど、もう羽ガタガタやねん……


ツバミ(メス)

ええやろ、って……ここ沖縄やで!?

本来の目的地まで、あと三千キロ以上あるんやけど?


ツバオ

いや、見てみ。空き巣いっぱいやん。

ほれ、あの赤瓦のとことか、あったかそうやで?

ヤンバルの森で虫もまだおるし、食うもん困らん!


ツバミ(しばらく考えて)

……はぁ〜、もうええわ。

あんたと話すたびに「ええわ」言うてる気がするけど、ほんまにもう“ええわ”。

ここで冬越ししよ。


(と、そのとき――)


ヒナA(ショック顔)

えっっ!? ちょ、うそ……!!


ヒナB(怒り)

ここで冬越すん!?南十字星は!?

インドネシアでヤシの木の上のクリスマスやるって話、どうなったん!?


ヒナC(泣きそう)

ぼく、南の島の学校で“トロピカルフルーツ観察クラブ”入りたかったのにぃぃ!


ツバオ(必死)

いやいやいや!沖縄も“南”やから!

サーターアンダギーあるし!三線の音もええやろ!?

しかも“冬でも短パン”の人おるくらい、あったかいで!


ヒナたち

ちがーう!!!

“赤道超えたかった”の!!!


ツバミ(冷静)

……あんたのせいやで。


ツバオ(小声)

だ、だって……渡りの途中で足つったし……

マッサージ鳥にも断られたし……

あと宿泊ポイント高騰して、ミミズ2本で一泊とかやったし……


ツバミ(キッとにらみ)

それ、自分で太って飛べへんようになったせいやからな。


ツバオ(しょぼん)

……うん。わかってる。



(その夜、ツバオはひとり沖縄の浜辺で星を見上げていた)


ツバオ(心の声)

……南十字星、見せてやれんかったな……

でも俺、家族守りたかってん。

羽ちぎれてでも、なんとか……


(そこへ、ツバミがそっと隣に)


ツバミ

……あんた、まだ夢見てたんやな。


ツバオ

ツバミ……すまん。

来年こそ、ちゃんと飛ぶ。トレーニングして、ほんまに変わる。


ツバミ(ちょっと笑って)

わかったわ。

ほな、来年の出発は3月1日。遅れたら置いてくで?


ツバオ(真剣)

うん、次こそは……南十字星、家族全員で見る!


**『ツバメ亭の夫婦漫才〜この家、壊させへん!〜』**


(沖縄某所。赤瓦の古民家の軒下。ツバオ一家が越冬中)


ツバオ(のんびり)

……やっぱ沖縄ええなぁ。気温はぬくいし、虫はまだ飛んどるし、

ヒナらも「かりゆしシャツかわいい〜」言うてるし。


ツバミ(やや疑い気味)

そやけど、あんた、さっき郵便受け見た?

なんか“立ち退きのお知らせ”って貼ってあったで。


ツバオ(余裕の笑顔)

気にすんな気にすんな〜♪どうせ人間の勝手な紙や〜〜


(翌朝――)


ドォォォン!

「ウィーン、ガガガガ……!」(重機の音)


ヒナたち

キャーー!!なんか来たぁぁぁ!!!


ツバオ(絶句)

えっ……え……え!?ガチのやつ!?


作業員A(下で見上げながら)

「ん?ツバメ?巣あるけど……まぁ、もう使ってないやろ〜。壊すぞー!」



(そのとき!)


ツバミ(目が光る)

ツバオ……やるで。


ツバオ(ふるえる羽で)

……おうっ……!い、いっちょ、家族の誇り守ったるわ!



ツバメ一家、空中戦突入!!


**ツバオ:**ショベルカーのフロントガラスにダイブ!

「わぁっ、ツバメがぁぁっ!!」


**ツバミ:**操縦士のヘルメットの上をスレスレ飛行→連続つっつき攻撃!


**ヒナA&B&C:**空中フォーメーション“イナズマ・ウイング”発動!

(スズメたちも援軍に!)


作業員B(混乱)

「やべぇ、これマジの総攻撃や!!!」

「ツバメ、完全に怒ってる!!!撤退!撤退ぅぅぅ〜〜!!」



(静寂。重機が去る音)


ツバオ(羽ボサボサ)

……な、なんとかなった……?


ツバミ(毅然と)

うん、我が家は……守った。


ヒナたち(大喜び)

パパかっこいい〜〜〜!!!

「今日のパパ、マジ鳥肌〜〜!!(ツバメだけど)」


ツバオ(ドヤ顔)

フフ……俺がやれば、こんなもんよ。


(風がふわりと吹く)


ツバミ(にっこり)

けど明日から、自警団巡回2時間延長な。

あと「朝の空中警備訓練」もつけとくわ。うちのリーダーとして。


ツバオ(絶望)

えっ……マジで……



舞台:2026年春、ある晴れた日。


小倉家の玄関軒先――

ある朝、美鈴が洗濯物を干しながらふと見上げると……


美鈴(目を細めて)

「……あれ?ツバメ……?」


その瞬間、ツバオがシュバッと飛来!


ツバオ(ドヤ顔)

「どうもぉ〜、今年もお世話になりまーす!去年は台風で巣が流されまして……はい!今年は、こちらのお宅の“幸せの気配”にビビッと来ました!」


美鈴ぽかーん

「……しゃ、しゃべった?ツバメがしゃべった!?!?」


(後ろから、優馬がトーストくわえながら登場)


優馬

「うわっ、もうツバメ来たんか!?この時期やと早いなー……」


(ツバミ登場)


ツバミ(クールに)

「今年は“チュールのおこぼれ”がある家が狙い目なのよ。あそこ、猫2匹いるらしいし。」



その頃、リビングでは――


ミケ子(窓辺で昼寝中)

「……あの上から視線を感じるにゃ……なんか、夫婦の気配……」


クールくん(チュールの空袋を並べながら)

「空からの干渉……予期せぬコラボ……これは新たなバズの予感。」



ツバオ夫婦、空から見た小倉家レビュー:


ツバオ(実況風)

「ここはええぞぉ〜。朝はトーストの香り、昼は猫のプロレスごっこ、夜は笑い声とどんちゃん騒ぎ……人情とギャグが同居しとる。」


ツバミ(巣を整えながら)

「ただし、床下からは謎の双子パワーが満ちてるわ。毎朝なぜか、餌探ししてると“どっちが本物か分からない”という謎クイズが頭に響くの。」





春、新学期――


(朝のドタバタ、すでにピーク)


光子「はやくしてよ〜、ランドセルの中にメロンパン入ってた〜!」

優子「それ昨日のやつ!食べちゃだめ〜!」


美香(呆れ顔)「ちょっと、双子……人間ランドセルを冷蔵庫にするのやめて……」


優馬(新聞読みながら)「俺も昔、カバンにチョコモナカジャンボ入れてたわぁ。気づいた時、ズボンがモナカ地獄。」


美鈴(無言のゴチンッ) ←お玉で優馬の頭をツッコミ



そのころ軒下――


ツバオ(暑さで羽パタパタ)

「今日もえらい騒がしいなぁ……なんやあの双子ちゃん、テンション高すぎて空飛べそうや。」


ツバミ「あんたも昔は元気やったのに、今じゃ風も避けて通るやろ、そのお腹。」



その時、アキラ登場!


アキラ(颯爽と)

「おはようございます!!」


(みんな朝食中)


アキラ「実は昨日、俺の家の軒下にもツバメが巣作ってまして!」


優馬(目がキラーン)

「え、それって全国ツバメ会議始まってるってことじゃない!?まさかのツバメネットワーク展開!?」


美鈴「あんた、それ以上喋ったらツバオさんにネタ盗られるわよ。」


(上からツバオのボソッと一言)


ツバオ「……今の、ええネタになるな……。」



ネコたちの冷静実況 in 2階


ミケ子(窓辺で観察)

「今日も平常運転ね。もう“人間の世界ってドキュメンタリーじゃなくてコント”って気づいちゃったわ。」


クールくん(腕組みしながら)

「毎日がネタ収集。俺らがMニャングニャんぷりで勝てたの、小倉家の“供給力”のおかげだな。」



エピソード:夏祭り編(ヒナたちの巣立ち間近)


ある日、家族みんなで夏祭りへ。

ツバオとツバミのヒナたちが、空の上から見守る――


ヒナA「あれが……人間の“綿あめ”ってやつか……」


ヒナB「チュールのわたあめとかあったら飛びつくのに……」


(花火がドーン!)


ツバオ「あぁ、人生って……ボケてもツッコまれても、見上げれば綺麗なもんや。」


ツバミ(しみじみ)「あんたが急にええこと言うと、フラグみたいやからやめて。」



まとめ:


小倉家とツバオ家族、

ギャグとツッコミが飛び交い、

チュールと笑いが循環し、

ネコもツバメも、人間も、


**“家族って、ボケても一緒に笑ってくれる人がいること”**






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