やぶ蚊との決戦
【時は真夏。場所はツバスケ家の近くの小さな森の木陰】
ツバスケ、のんびりと羽繕い中。
ツバスケ(満足げに)
「う~ん、羽のコンディション最高。紫外線ケアもばっちりや。ツバメ界のイケ羽といえば、ワイやろ。
あとは昼寝して、明日の水浴びに備えるだけやな……」
(スチャッと片羽で目隠ししてウトウトし始める)
ブ〜〜〜ン……ブ〜〜〜ン……(不穏な音)
ツバスケ(半目で)
「……なんか耳元うるさない?」
ブ〜〜〜ン(より接近)
ツバスケ
「やっぱおるよな!?おるよな!?夏の刺客、やぶ蚊やぁぁぁぁ!!」
(体をバッと起こして周囲をキョロキョロ)
やぶ蚊1号「ターゲット確認。脂質多め、血液濃度良好」
やぶ蚊2号「本部より指令:全力で吸え」
ツバスケ(青ざめる)
「うそやん、ワイ、今“おいしそうな鳥”認定されたってこと!?」
(次の瞬間、森の奥から──)
「ブィィィィィィィィ~~~~~~ン!!」
ツバスケのまわりを囲む、やぶ蚊100連隊の襲来!
ツバスケ
「きたーーーーーーー!!あかん、絶対刺される!このままじゃ夏バテ+貧血コースや!!」
(全力で空中ジタバタ舞い)
ツバスケ
「うおおおおおお!!アクロバット飛行や!!くらえ、ツバメスピン!
――って、あれ?逆に蚊の方が上手に旋回してるやん……なんでや……」
(蚊が隊列組んで空中フォーメーション)
やぶ蚊リーダー「標的逃走中。追撃開始!」
ツバスケ(ボロボロで帰宅)
「ツバコ~~~ッ!!虫除けスプレーは~~~!?」
ツバコ(またか…と呆れ顔)
「あんた、また変なことしとったんやろ。てか、なんで体にポチポチいっぱい出来とんのよ。
痒っ…見てるだけで痒ぅなるわ!」
ツバスケ
「もう、かゆい、つらい、飛びたい……この三拍子揃って地獄……」
つばみん
「パパ、蚊に好かれてるね~!」
つばまる
「逆に、パパが虫除け代わりになるやん!」
ツバスケ(泣)
「それ、ワイが刺され役固定やん……もう家族がみんなツッコミ体質やぁ……」
ツバコ(すぱーん!と虫刺され軟膏を投げてよこす)
「ほれ、塗っとき!あと明日から“長袖羽”やな。」
ツバスケ
「そんなのあるん!?ファッションで防ぐんかい!!」
「蚊取り線香、強すぎ問題!〜ツバメ界にも煙たい夜が来た〜」
【場所:ツバスケの巣・真夏の夜、蚊に刺されて全員イライラ中】
ツバスケ(体をボリボリかきながら)
「もうあかん。昨日なんか蚊に刺されすぎて羽が“ミズボウソウ”や。寝ても覚めても痒いねん!」
ツバコ(しかめっ面)
「そんだけ刺されてるの、あんたの体脂肪率のせいやないの?“美味しい血”ってラベル貼られてんのよ、絶対」
ツバスケ
「やかましわ!……で、や。今日、秘密兵器用意してきてん」
(得意げに取り出す、手のひらサイズの…)
「ツバメ専用!超強力・蚊取り線香!~鳥類でも効く!~」
ツバスケ
「見てみ?これ、通販で買うた“ツバめっちゃ取り線香”。レビュー★4.9やったで。
『蚊だけじゃなくゴキも逃げた』って書いてあった」
ツバコ(ジト目)
「ゴキはおらんっちゅうねん…」
つばみん(目を輝かせ)
「焚こう焚こう!楽しみー!」
【数分後――巣の下に設置、火をつける】
ジュワワワワ…
モクモクモク……
(尋常じゃない煙量)
ツバスケ(むせながら)
「けほっ!こ、これホンマに鳥類対応か!?煙すぎて羽が湿るっちゅうねん!」
ツバコ(目をこすりながら)
「なにこの煙!もう巣、サウナやん!!」
つばたろう
「前が見えん!遭難する~!」
ツバスケ(真っ赤な目で)
「ワイ今、目がやられて“スズメ目”やなくて“涙目”や!!」
(ツバスケ、煙に巻かれて巣から落ちかける)
ツバコ(ツッコミ)
「おい、ツバメが煙に巻かれてどないすんねん!!」
ツバスケ
「蚊を追い払うどころか、自分が脱出してもーたがな!!」
つばまる(感想)
「これ…蚊より先にうちらが出て行くやつやな」
【翌朝】
ツバスケ、眼鏡(※おもちゃ)をかけて寝ぼけながら登場。
ツバスケ
「結局、煙い→むせる→寝れん→蚊来ん→疲れた……なんのこっちゃー!!」
ツバコ
「そもそもツバメは木の上で寝るのがスタンダードやろがい!煙炊くんは焼き鳥になる覚悟ある時や!」
つばみん&つばまる(口を揃えて)
「今日は水風呂にしよ!」




