住宅について
作中メインとなる1950年台はコムナルカという共同住宅が一般的でした。
コムナルカは帝政時代以前の邸宅などをベニヤ板などで雑に仕切りをして、共同の台所とトイレを備え、40人近くが密集して住むような、現代から考えるととんでもない住環境の住宅です。都市部の人口増加に伴い、対応策としてこのような施策がとられていました。
セルゲイは仕事を始めてからそちらに住んでいましたが、ニコライは機密性が高く政府的に重要な仕事のため、コムナルカには住んでおらず、当時からするとかなり質の良い自宅を持っています。
また、1960年台からフルシチョフカという集合住宅が建てられ始め、そちらは家庭ごとに仕切りのある現代のアパートに近い作りでした。アレクセイ宅は時代が早いですが、そちらに住んでいます。
また、ヨーロッパの住居といえば自宅では靴を履いたまま過ごすイメージですが、ソビエトでは靴を脱いでスリッパを履くのが一般的だったようです。
日本人としては親近感の湧く風習ですが、理由としては寒冷地であること、外を歩き回ると雪や泥がたくさんついてしまうこと、そして東欧やアジア圏の文化が影響しているようです。






