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ヴァリ・カヴァリエーレ〜色彩ノ騎士タチヘ〜  作者: 春風邪 日陰
第三話 鎧染!壮麗ナル銃撃と黒キ鎧
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PART1

閲覧感謝です!

貴重なお時間にお邪魔します……


あらすじ

梓の店でバイトとして働く事になった瑛人。そこで女といちゃつくホスト風の男。どうやら翼とも知り合いのようだが性格の違う瑛人はそれに振り回されてばかり。

そんな中誘善神社に魔獣が出現して…

「ねぇ、本当に大丈夫?…」


「大丈夫だよ!あ、もしかして怖いのか?」


真夜中の森林。薄手な格好とスマホのライトを片手に奥へと進んでいく2人の男女。


「別に怖くなんかないわよ……でも、噂だとこの町出るんでしょ?…」


「噂だって。ただの噂。それにそのくらいの刺激がないとわざわざ旅行までに来て肝試しする意味がないだろ」


「だけどさ……」


呑気な男とは対照的にこの町の異変を直感的に感じ取る鋭い女。

突然風が吹き荒れると周りの木々がザワザワと騒ぎ出す。

まるで何かに笑われてるようだ。


「ねぇ、やっぱりもう帰ろうよ。なんか変だって…」


「だから大丈夫だってば。こんなのただの風だろ。その内静かになるさ」


どんどんと風は強くなっていったが暫くするとピタリと風が吹きやんだ。


「ほら止まった。何も起きない。だから言ったろ大丈夫だって」


その瞬間目の前の大木が切り落とされ倒れてくる。


「キャッ!!」


大木は目の前で倒れ道を塞いだ。


「な、なんだ…?」


「ほら!やっぱ変だって!早く帰ろうよ!」


「そ、そうだな」


2人は帰ろうと来た道を戻ろうと振り返った瞬間、周囲の木々も切り倒され四方八方行手を塞がれてしまった。


「うわっ!」


「ヤバいじゃん、どうすんのよ!!これじゃ私たち帰れないじゃん!」


「お、落ち着け…こうなったら助けを呼ぼう」


男は電話をかけようとスマホを触った瞬間、突然電源が落とされ画面が消える。


「え!?」


男は慌てて電源を入れ直そうとするが一向に電源が入る気配はない。


「ウソでしょ。こんな時に電池切れ!?何やってんのよ!」


「いや、そんな筈は」


「もういい私がかける。……あれ?」


女も電話をかけようとスマホを取り出すが既に電源が切れていて動かない。


「なんで!?さっき充電したばっかりなのに…」


するとそんな2人を嘲笑うかのように再び風が吹き荒れ森が騒めきだす。


「お、おい。アレ見ろ誰かいるぞ!」


「え?」


2人の目線の先には木々に腰掛ける男の姿が。

ふとした瞬間男は2人の視線から姿を消す。


「あれ?」


次の瞬間既に男は2人の目の前に姿を現し、その真っ赤な顔を見せた。


「「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」




晴れ渡った空から差し込む一筋の光がベッドで寝相悪く眠る瑛人を優しく起こす。


「もう朝か……朝!?やべぇ遅刻だ!!」


飛び起きた瑛人は急いで服を着替え支度を済ますと駆け足で階段を駆け降りて行く。


「ちょ、どうしたのよそんな急いで。魔獣はまだ出てないわよ」


早朝から工場で仕事をしていた翼をも思わず手を止める。


「魔獣なんかよりもヤバい事が起きた!急がないと」


「魔獣よりもヤバい事?……」


「話は後だ。俺は行く!」


駆け足で工場を出ていく瑛人。


「何よそれ。めちゃくちゃ気になるじゃないの!」


瑛人の慌て振りに興味をそそられた翼も急いで瑛人の後を追った。


「で、心配して来てみたら……」


翼の目の前にはカフェで働くエプロン姿の瑛人が。


「ただのバイト!?」


「ああ。言ってなかったけ?」


「聞いてないわよ。別に言わなくてもいいけど」


「あら翼ちゃんいらっしゃい」


するとカフェの店主、梓が奥からやってくる。


「梓さん。バイト雇ったんですか?今まで誰も雇ってなかったのにどうして急に」


「前から誰か雇おうとは思ってたんだけどね、中々いい人がいなくて。そんな時に彼がウチで働きたいって言うから丁度いいと思って雇ってみることにしたのよ」


「だけど本当にコイツでいいんですか?他にいい人なんていっぱいいるでしょうに」


「おい」


翼の余りな言い草に瑛人が文句を言おうとすると、


「あら、瑛人君はいい人よ」


「梓さん…」


梓のストレートな評価を素直に喜ぶ瑛人。


「性格だって優しいし真面目に仕事もしてくれる。それに」


「それに?」


「なんてたってウチの常連の翼ちゃんのお墨付きだもの。今日だって一緒にウチに来るなんて2人は付き合ってるんでしょ」


「「は!?」」


思わず2人とも同時に驚いてしまった。


「ほら」


「ち、違いますよ!変なこと言わないでください!」


「そうですよ!なんで俺が翼と、」


「それはこっちのセリフよ。なんでまだ会って数週間のアンタとどうにかなんなきゃならないのよ!」


「なんだと〜?」


他人から見ると仲睦まじく言い合っている人を笑顔で見守る翼。


「私は2人とも案外相性いいと思うんだけどな〜」


「やめて下さい変な妄想するのは。コイツと一緒だったのは今ウチの工場の2階を貸してるからであって変な意味じゃありません!」


「でもそれって同棲なんじゃないの?」


「違います。同棲じゃなくて居候です!」


「そうです梓さん。俺は居候です!翼は勿論俺は誰とも付き合ってなんかいません。だって俺は…」


梓に対しての自分の思いを正直に伝えようとした瞬間。


「すみませーん」


「はーい」


客に呼ばれて梓は注文を取りに行ってしまった。


「梓さんが、っていないし……」


「ふん。それにしてもアンタも大変ね。ここで働くってことはこの店に来る梓さん目当ての客全員の敵になるってことなのよ。それなのになんでここで働こうと思ったわけ?」


「そんなの決まってる。梓さんがいるからだ。俺がここで働けば梓さんを変なお客や魔獣から1番に守れるだろ」

「だと思った。聞いた私がバカだったわ…」


呆れる翼を片目に奥の席に座っていた2人の男女に視線が行く。


「ねぇ彈。今日どこ行く〜?私はね〜映画館行ってお寿司食べてその後はー」


「慌てるなプリンセス。まだ朝だ。お楽しみは最後まで取っておかなきゃな。それに何処だって俺が君を幸せにするさ」


「もう〜〜彈ったら!!」


ホストのようなやり取りをする男とそれにイチャつく若く美人な彼女。


朝っぱらからカフェで見る光景には少し刺激が強すぎる。


「なんなんだあの男は……」


「アイツ。また違う女の子と遊んでるし、本当相変わらずね」


「え、もしかして翼あの男と知り合いなのか?」


「まぁね。後にアンタとも知り合いになるわ」


「俺が?」


すると翼はイチャつく2人の席へ行くと、イラつきながら男に話しかける。


「…ダン!アンタ電話くらい出なさいよ!」


「翼。悪い悪い、ちょっと前から携帯無くしちゃってさ。あ、これ新しい俺の電話番号」


反省の色が見えないまま電話番号が書かれたメモ用紙を翼に渡す。


「アンタその嘘何回目よ。で、何台携帯持ってんのよ」


「そうだっけ?」


「ねぇ彈。この女誰よ〜?」


「心配するなプリンセス。彼女とは君が思ってるような関係じゃない。よくある仕事仲間だ。今の所はな…」


「今も今後も私がアンタとそうなることはないから安心して」


誘う手を振り払い突っぱねる翼。


「そういう所も嫌いじゃない」


「だったら私が何を言いたいか分かってるわよね?」


「当然。もう町中の噂にとなってるしな。新しいヒーローが現れたって。いいじゃないか。俺は嬉しい限りだよ」


「アンタね〜……」


翼とそんなやり取りをしてる間も彈と名乗る男は隣にいる女肩を抱きイチャついている。


「翼。この男なんなんだ。本当に知り合いか?」


「そうよ。性格は全く合わないけどね。…丁度いいからアンタにも紹介しとくわ。コイツは涼鉄彈。アンタの先輩でもう1人の」


「説明無用」


翼が何かを言いかけた瞬間彈が間に入り瑛人の目の前にやって来る。


「俺は男に興味は無い。悪いな。…さあ行こうかプリンセス」


「うん!」


そう言って瑛人の肩を一回叩くと彈は女と共にイチャイチャしながら店を出て行った。


「なんなんだアイツは……ってお代!あの男食い逃げしやがった!!」


「いいからほっときなさい」


急いで追おうとする瑛人を止める翼。


「でも、」


「いいから。その内待ってればまた来るわよ」


「っ……本当になんなんだあの男は」


「アイツはああいう奴なの。気にしたら負けよ」


すると今度は翼のスマホに着信が入り電話に出た為に言いかけた言葉は再び闇に消えてしまった。


「だからなんなんだよ!…気になるじゃんか」


何も分からず焦ったいまま翼の電話が終わるのを待つ瑛人。


「了解。対応します」


話を終え電話を切る翼。


「で、アイツはなんで俺の先輩なんだ!?」


待ってましたとばかりにすぐに詰め寄る瑛人。


「その話はまた後でね。仕事よ。魔獣の出現が確認されたわ」


「場所は」


「誘善神社」


「分かった。梓さんすみせません、ちょっと抜けます!直ぐに戻るんで」


「え?」


梓の返事を待たないまま瑛人は直ぐにエプロンを脱ぎ捨てると急いで店を出て行こうとする。


「待ちなさいよ」


「なんだよ!?急がないと!」


急ぐ瑛人に待ったをかける翼。


「急ぐのはいいけどさアンタ分かるわけ?」


「なにが?」


「誘善神社が何処にあるか」


「あ……」


こうして2人は仲良く翼の案内で誘善神社に向かったのであった。


「(一応アイツにも連絡しておきますか。多分意味ないだろうけど…)」

ここまで閲覧頂き誠にありがとうございます。


よろしければブックマーク、評価を頂けると、とても励みになります!



次回もお付き合い頂ければ嬉しい限りです。

勝手に祈ってお待ちしております。

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