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その5

私は宝くじ売り場の灯子 その5


私は宝くじ売り場の灯子(とうこ)

ここの、宝くじ売り場で働いている。

時給は安いが、ここから見える人たちを眺めているのが好きだ。


お客さんT

この売り場には、いろいろなお客さんがやって来る。

だが、一番変わった人がいる。

それが、タイガーさんだ!(私が名付けた)

名付けたと言うよりも、どう見てもタイガーマスクそのものだ。

そのお客さんは、来店時、必ずタイガーマスクのマスクを着けている。

初期の佐山悟バージョンのマスクだ。

神々しい、

往年のタイガーマスクの有志を思い出す。

佐山タイガーは、素晴らしかった!

ローリングソバット、タイガースープレックス、ブランチャー、

佐山タイガーは、天才だ!神だ!

もとへ、

普段から着けているのか?

それとも、宝くじを買いに来る時だけ着けてるのか?

謎だ、

変人か、

コスプレか、

タイガーマスク愛なのか、

体格を見てみる。

痩せている。どう見てもプロレスラーでは無さそうだ。

しかし、何故?

そう言えば、聞いた事がある。

隣町に、タイガーマスクのマスクを常に着けている人がいるらしい。

有名らしく、本当の顔は誰も見たことが無いらしい。

私生活もマスクを着けているらしく、妻帯者で家族もいるらしい。

謎だ、

真相は闇の中に封印される…


キーワードP

私は灯子の妹、桃子(コードネーム 空モモ)

姉からの極秘ミッションを受け、とある地方に潜入した。

ここに、妖精の力を借りて魔法を使った女性がいるという情報を得た。

今は、宝くじの売り子として静かに余生を送っている。だが、極秘キーワードを唱えると当たりの宝くじをくれるらしい。

MI6からの情報だ。

獣道を行き密林を抜ける、

あった!

こんな山奥に宝くじ売り場が、

「こんにちは」

「いらっしゃいませ」

窓口には中年の女性がいた。

よし、キーワードだ!

「ピピルマ ピピルマ プリリンパ パパレホ パパレホ ドリミンパ 」

きょとんとしている女性。

「ピピルマ ピピルマ プリリンパ パパレホ パパレホ ドリミンパ 」

きょとんとしている女性。

…………

しまった、

ガセネタだ。

また、姉に騙された。

ガセネタナンバー101だ。

「ジャンボ…10枚」

記念に、宝くじを買って写メを撮る。

カシャ、

景色がきれいだ。怒りも消える。

山を降りる。

「気をつけてねー」

見送る女性。

……

「惜しい、」(女性)

「パンプルピンプルパムポップン、パンプルピンプルパムポップン!」

「て、二回言うのが呪文でした〜」

「今日の紅茶にはミルクをたくさん入れようかな」(女性)

クリーミーな一日でした。


お客さんQ

「問題です、」

また来た。

宝くじを買う前に、必ずクイズを出すお客さん。

「キリンは、何と鳴くでしょう?」

知ってるよ、テレビで見た(心の声)

「モーです」

「正解」

「じゃあ、桃太郎は何て鳴く?」

「桃太郎?」

何だ?

「お供が、犬とキジと猿だから〜」

「ワンケーンキャン?」

「ワンキャンケーン?」

「ハ〜ズ〜レ〜」

「桃から生まれた時、オギャーと泣きました」

何だよそれ、(心の声)

ムカつく、(心の声)

しかし、

何で、売り子が毎回、クイズに答えなきゃならないんだ!

勝ち誇った顔が、またムカつく。

まあ、毎週買いに来てくれるから許せるが。一度でいいから、あのお客さんの困った顔を見てみたい。

次の週、

「問題です、」

「浦島太郎は何て鳴く?」

「?」

「浦島太郎は人間だから…」

「オギャーだ!」

どうだ、私はバカでは無い。先週の振りだな、日々、私は進化している(心の声)

どうだ、

「ハ〜ズ〜レ〜」

「正解は、おじいさんになってしまって涙も出ません」

何にー!

そんな答えがあるのか!

悔しい、

しかし、今日の私は違う。

逆問題だ!

「では、ウルトラマンの年齢は何歳でしょう?」

これは、クイズでよく使われる問題だ。

クイズでは、「ジュワ」と叫ぶので18歳が定番だが、

円谷プロの公式サイトでは、2万歳だ。

ウルトラマンの最終回で本人自ら言っている!

解るまい(ニヤリ)

私は、知人がウルトラマンマニアなので知っている。

悩んでいる、困った顔をしてる。

どうだ、降参か!

「2万歳です」

なに、

何故、知っている?

悔しいー

あの勝ち誇った顔を困らせたい。

戦いは次週に持ち越される。


究極超人少年R

テレビの特番だ。

究極超人少年vs MENSA会員。

MENSA(メンサ)とは、1946年にイギリスで創設され、全人口の内上位2%のIQ(知能指数)の持ち主の国際グループだ。

私もテレビに映るぞー

「さー、始まりました!」(司会者)

「対決TV!」

「こちら究極超人少年R、」

「こちらMENSA会員、」

「そして、素人(私)」

うるせえよ(心の声)

「次のロト7の数字を予測せよ!」

究極超人少年R

01 13 18 25 26 39 40

「テレスドン、ケムラーの目」

MENSA会員

01 02 08 09 22 38 42

「ニュートン力学による重力加速度ベクトルで計算しました」

素人(私)

10 13 17 18 22 28 37

「まるっきり感です」

さーて、

電動攪拌式遠心力型抽選機(夢ロトくん)

スタート!

ゴーーー

10 、

13 、

17 、18、

22、28 、

37、

やったーーーー(私)

10億円ーーーー(私)

寝食いの生活〜(私)

悔しがる二人。

しまった、売り子は宝くじを買わない(泣)


お客さんK

急に暗くなってきたぞ、

雨か?

いや、今日は一日中晴れのはずだ。

まして、まだ午後1時だ。

スーッ

巨大な手が窓口に近づく、

見上げる。

ああっ、

進撃の巨人だ!

超大型巨人だ!

捕食される〜

そうだ、漫画でも巨人は突然現れる!

しまった、

まだ、全巻読み終わってない。

どうしよう、

エレンはいない。

ミカサもいない。

立体機動装置のガスは切れている。

私は無力だ〜

捕食される〜

マカロン、腹一杯食べておくんだった。

神さま〜

「ジャンボ、バラで」

「?」

巨人も宝くじを買うのか?

「はい、ジャンボ、バラで」

「ありがとうございます」

知性の巨人なのか?

「あっ、」

バスケットボールのステッカーが貼ってある。

なんだ、バスケットの選手なのか。

脅かすなよ、

「あっ、」

サインもらえばよかった。

しかし、でかい…


私は宝くじ売り場の灯子、

今日も宝くじを売る。がんばれブレックス!

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