その2
私は宝くじ売り場の灯子 その2
私は宝くじ売り場の灯子。
ここの、宝くじ売り場で働いている。
時給は安いが、ここから見える人たちを眺めているのが好きだ。
お客さんE
「あれ、」
「遠藤君じゃない?」
ん?
「ああ、灯子さん」
「久しぶり〜」
小さな女の子を連れている。
「結婚したんだ」
「うん」
「可愛いね、」
「ま〜ね」
否定しろよ(心の声)
まあ、本当に可愛いけど(心の声)
「パパー、あれやりたい!」
スクラッチだ。
「じゃ、スクラッチ5枚」
「はい」
「やりたい、やりたい」
「ほら、十円玉で削って」
「わーおもしろい」
「どうかな〜」
「うん?」
「あれ、」
「これは、」
「5万円、当たってます」(私)
「えーっ」
「どうしたのパパ?」
「うん…何か買って行こう」
「やったー」
それから、遠藤君は常連になった。
お客さんL
どう見ても怖い系のお兄さん。
ほぼ毎日、買いに来る。
働いているのかな?
2000円、
色々な種類の宝くじを買ってくれる。
たまに当たるが、毎日は大変じゃないのか、
生活は大丈夫なのだろうか?
ちゃんと食べているのだろうか?
他人だが、心配してしまう。
日に日に、顔つきが険しくなってくる。
薄着の時は、背中に模様が見える。(汗)
怖い、
今度こそ言おう。
「週一にしたら良いですよ〜」
言えない…
商売ですから、
お客さんG
ぷはぁー、
「ジャンボ20枚、バラで〜」
強烈なニンニクのにおい、
たまらない、息が出来ない。
ぷはぁー、
呼吸が…ぁ
このオヤジ、いったい何を食べて来たんだ?
ニンニク屋か!
ぷはぁー、
これは、兵器だ!攻撃力400はある。ダメージ強、
ぶはぁー、
ダメだ…lostしてしまう!
手持ちのアイテムは?
マスク3枚!
防御、
ぷはぁー、
防御力10、9、8…
ダメ…だ…やられる、
めまいが〜
「は…はい…ジャン…ボ…20…枚…」
……
……
……敵が前線から去って行った。
助かった。
この戦いは、かなり危なかった。
売り場に平和がもどった。
お客さんH
レロレロ、
視線が怪しい、
「ナンバーズ、5枚〜」
私の胸元を、必要に覗こうとしているお客さんH。
危ない!
今日は、暑いのでけっこうボタンを開けていた。
ササッ、急いで隠す。
セーフ、
的確な行動だ。
たまに、こういうお客がいる。
えっ⁈、試行錯誤しているぞ、
まだ覗くのか、
そうやすやすと、タダで見せてやるか!(心の声)
シールド強、
もっと買え、買わなきゃ見せん!(心の声)
今度は胸を見ている。
胸を凝視している。
透視か?
見えるのか?
何か、見えるのか?
クレヤボヤンス(透視能力)だな、
こやつ、エスパーか!
こっちも、サイコネキシス(念動力)で攻撃だ。
ええい、
ほうら、頭が痛くなって来ただろう、
お客さんH、頭を抑え顔を歪める。
「ゔうっ、」
「はい、ナンバーズ5枚です」
よろよろとエスパーは去って行った。
おおっ!
今度は、違う人を透視しているぞ。
サイコネキシスーーー
頭を抑えているお客さんH。
あいつは、危ない。要注意、
私は宝くじ売り場の灯子、
今日も宝くじを売る。ESP