表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

耽美奇譚

心にミカエルを飼っている

作者: 秋暁秋季

注意事項1

起承転結はありません。

短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。


注意事項2

大人気魔法ファンタジー小説の寮組み分け、あるじゃないですか。

黄寮と緑寮で迷われるのは、きっとこんな子だと思います。

自身の目的である悪徳さを自らの善性でねじ伏せる感じ。


共に暮らしている少々は、近年稀に見る程の良い子だった。公平で、誠実で、狡を嫌う様な子だった。けれどもそんな子にだって、悪徳が無いわけではない。

初めてあの子の狂いを知ったのは、人形を買い与えた時の事だった。彼女は私に対して礼を言うと、嬉々として服を脱がせ、細部に至るまで観察し始めた。髪の付け根、脇の下、関節の繋ぎ目。それらを狂気的な瞳でまじまじと見つめそれから、乱暴に手足を引きちぎろうとした。

――何を……しているの?

――何って、千切れたらどうなるのか、確かめるの。ちゃんとくっ付くのか。それともそのままなのか。生きてる人間にしちゃいけないから、こうやって確かめるの。真実を……知りたい。

血の通った生命に対する倫理観。冷たい人形に対する暴虐。やってはいけない事、それは彼女の中できちんと線引きとして存在している。そしてそれを踏み外さない。それでも、彼女の中にある悪徳に、寒気を覚えたのは事実だった。


物心着いた時から、同居人は私に宗教像を買い与えた。厳しい顔をした天部や、剣を持った輝かしい天使であった。宗教は異なるものの、全てに共通するのは、敵である鬼やら悪魔やらを踏み付けているところだった。

そして与える時に必ずこう言った。

――君のようだ。この天部や天使も。悪魔を踏み付けて、善性を保とうとする。良いかい。これからも、そのままで居なくてはいけないよ。決して……君の中にある悪性を、野放しにしてはいけないよ。目的の為に、倫理を置き去りにしてはいけないよ。

そうして目に見えるところに置いた。まるで私を監視する様に。

私が常人とは掛け離れた感性を持ち合わせているのは分かっている。グロテスクな話を見るのが好き。目を背けたくなる様な血みどろな話が好き。アングラな世界が好き。おどろおどろしさの中に耽美があって、私の心を満たしてくれる。

けれどもそれはおかしい事。絶対に現実に起こしてはいけない夢物語。だから、それを封じ込める為に、私は今日も全力で良い子を演じる。悪徳に屈しない様に、像を眺め続ける。

……私は死ぬまで最善の選択をし続ける事が出来るのだろうか? その質問に答える者は居ない。だから今日もこうして、天部や天使と相対し続ける。

あぁ、貴方達から解き放たれた魔物は、背筋が凍るほど気持ちが良いのでしょうね?

あぁ、貴方達から解き放たれた魔物は、背筋が凍るほどおぞましいのでしょうね?

どんなに良い人でも、聖人クラスまで行くのは本当に一握りだと思うんですよ。あ、悪性ゼロって人ですね。

私も良い人ぶってますが、平気で倫理観ドブに捨てた小説を書くのを楽しんでます。罪悪感なんてありません。

ただただ背徳感が気持ちいい。


※こう書くとただの狂人ですね。自覚はあるんですよ。


大人気魔法ファンタジー小説で、

黄寮と緑寮で組み分け迷う人間は居ないんじゃない?

なんて言われてるのを見て考えた話。


何か目的を成し遂げる為に、非人道的な真似はしない。

けれどもかなりギリギリのラインならば、手を染める。

その事に罪悪感がある故に、善性でねじ伏せて良い子になろうとしている。

どうしようもなく良い子なんです。

でも根っこの形が違う事に気が付いているから、周りの価値観に必死に合わせようする忍耐強さもある。


意外と多いと思うんですよ。アングラ好きは特に。

最後の相反する言葉が、彼女の性質を表しているように思えます。

慣れてくると、誰でも出来るようになりますよ。

嫌な言葉の上から綺麗な言葉を上書きする手法。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ