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日常で世界を変える(唐沢編)  作者: mei


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7月21日 ミーティング(直感)

 野球部は、初戦が25日ということもありかなり大会モードだった。夏の高校野球は、負けたら終わりという一発の戦いとなる。緊張するのも頷けるな。俺たちも夏の予選まで後8日。日数は違えど、少しずつ緊張感は感じる様になってきていた。エースの沢田、ヤンチャな宝来、工藤。チームの中心人物である中沢や辰巳がいつものように練習している。俺も負けてられないな。


 ー7月13日ー


 4本目の工藤のキックが終了し3対3のドローだった。俺の4本目を前にして、俺たちは話をしていたのだ。


 工藤「俺は、お前に勝ちを譲るつもりはないよ」

 俺 「なるほどな、それは楽しみだな」


 工藤の話にのるつもりはない。


 工藤「随分な自信だな」

 俺 「ああ。悪いが俺は、あの時の俺とは違うんだ?」

 工藤「あの時?」


 思わず、工藤は聞き返していた。俺のあの時とは、工藤が躍動していた昨年の大会で戦った純新学園とよ試合のことだ。


 俺 「純新との試合だよ」

 工藤「どう違うんだ?」

 俺 「あの日は、お前のプレーをみるしかなかったけど、今は違うよ」  

 工藤「は?」


 納得がいかないようだ。


 俺 「悪いけど、今日は俺が勝つから」

 工藤「負けたら、二度と俺に話かけるなよ?」

 俺 「じゃあ、俺が勝ったら俺の言うことを聞けよ」


 俺たちは、再びキッカーとキーパーに別れた。俺がここで決めて、次の工藤のボールを止める。そうすれば勝てる。ただ、もし外して次の工藤に決められたら一気に逆王手となる。さぁ、俺にとっては大事な一本だ。どっちに蹴るか。また、右かぁ。それとも左か。なんか、これまでは直感でボールを蹴ってきたが、今回その直感とやらがピンと来ない。なんだろう、この感覚。どこに蹴っても止められそうなイメージしか思い浮かばなかった。ダメだ、こんな思いだと。必ずゴールを決めて勝つんだ、俺は。自分に言い聞かせる様に俺は頭の中で言葉を繰り返していた。中沢のホイッスルともに、俺は走り出す。どっちに蹴れば決めれるのか?わからない。でも、蹴らないと。足とボールが直撃、ボールは左方向へと飛んでいく。まるで、コースをよんでいたかのように工藤はボールの方に向かって動き出している。ヤバい、止められる。工藤は、精一杯腕を伸ばしながら、ダイビングをする。工藤の腕に吸い込まれるようにボールは近づいていく。ボールは、工藤の手に阻まれボールは淡々とゴール外へと逸れてしまったのだ。

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