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日常で世界を変える(唐沢編)  作者: mei


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7月20日 ミーティング(一歩)

 横にいた野球部は、今日も騒いでいるようだった。野球部の横に部室があることは俺にとっては苦痛だ。なんだか、俺は野球部と合わない感覚があったからだ。関わることは少ないんだけどな。


 ー7月13日ー


 ここでようやく逆転した。これで俺が1点リードだ。これから4本目に入る工藤を止めて、次の俺がゴールを決めれば勝利する。さっさと決めたいな。問題は、ここで工藤がどうするかだよな。工藤は、宝来や沢田と違って諦めやすい奴だ。この点数で諦めてくれていたら俺にとって好都合なんだが。俺は、再びキーパーの位置へとついた。俺の前にたちはだかる工藤は、さっきまでとは目の色が違う様に感じた。まるで、試合中のPKと言わんばかりに研ぎ澄まされているようだった。この感じの工藤は、久しぶりだな。あれは、いつだっかな?俺は、昨年の大会で戦った純新学園高校のことを思い出した。純新学園は、野球の強豪校で有名だがここ最近は、サッカー部も強くなっていた。

 昨年の大会では、2対6と圧勝されてしまった過去があった。その時、唯一気を吐いていたのが工藤だった。俺たちは、ベンチを温めながら試合を見ることしかできなかったけど工藤は違った。あの日、唯一チームの得点を決めた男なのだ。あの沢田ですら、機能しなかったのに工藤は一人でチームを鼓舞し続けていたのだ。1点目が前半終了間際に、ロングシュートを決めた。2点目は、後半中盤にコーナーキックをヘディングで決めたもの。あの時の工藤は、チーム中心そのもの。それなのに、試合で負けて以来工藤は、さらにグレていってしまったのだ。本当か嘘かはわからないけど、あの日にボコボコにされたのが相当プライドを傷つけられてしまったらしい。

 工藤を傷つけたのが、当時同じく2年生だった亀谷優心の様だった。亀谷は、たしかあの試合4点くらい決めたんじゃなかったかな?俺たちのチームをあざ笑うかのように次々とゴールを決める姿に、工藤は耐えられなかったとか?もし、あの試合に俺たちが勝っていたら、、、、、、、、、、、、、、。今みたいな工藤はいなかったんじゃないか?あの時、グラウンドにいた工藤は、どんなことを考えてどんなことを思ったのだろうか?あの時、俺たちがもっと仲がよければ変わっていたのかもしれない。そんなことを考えていると、異様なオーラを放った工藤はボールを振り抜いた。ボールは、俺の斜め上右へと飛んでいく。俺は、一歩も動けなかった。

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