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7月16日 ミーティング(覚悟)

 初戦の29日まで残り13日。俺たちは、決めた3つのフォーメーションを機能させるために動きを何度も確認していた。



 ー7月13日ー


 俺が蹴る前に既に1点が入っていることは、少し不安があった。俺が蹴る前ということもありグラウンド内は、再び静まり返っていた。さぁ、どっちに蹴ろうか。中沢の笛が鳴ったタイミングで、俺は右に蹴ることを選択したのだった。キーパーの工藤からは、まったく緊張感が伝わらない。余裕ってか、、、、、。センスがある奴は羨ましいな。俺は、少し後ろに下がりその反動で前へと走り出した。俺が蹴ったボールは、右に綺麗なライナーで飛んでいく。工藤は、左に動いていたこともあり、蹴った瞬間入ったことを確信した。ゴールネットへ入ると、再び3年たちが大きな声をあげていた。なんとか入ってよかった。


 中沢「ナイスシュート」

 俺 「どうも」


 審判の立場ということもあり、中沢は俺を大げさに応援することはできなかったが本人なりの声かけなんだろうということがわかる。再び、キーパーの方へと戻る。これで、1対1。俺とすれ違う工藤は、ボールを手に持ちながら、次の蹴る方向を考えているようだった。


 工藤「狙ってたのか?」

 俺 「、、、、ああ」


 独り言のように話されたので返事をするか迷った。工藤自身は逆を突かれたことに納得がいかないようだ。ゴールへと向かうと相田から「ナイスシュート」と声が飛ぶ。それに続くように富山や川上からも声がかけられた。嬉しいのか、嬉しくないのか。自分でもよくわからなかった。今度は、工藤の2本目。俺は、心を落ち着かせ、キッカーの工藤へと視線を集中させる。次は、どんなシュートをしてくるだろうか?俺の予想では、再び左と考える。これは、宝来の時と同じだ。あの時、宝来は俺をあざ笑うかのように同じ方向へと連続で蹴り続けた。完全にバカにされていたけど、それでもよめなかった。あの時、宝来は完全に俺の逆をよんでいた。最初から、同じコースに蹴り続ける予定はなかったはず。あの時のことを考えると、そ俺の動きからわかっていたんだろうな。俺も悟られないように動かないと。この前の動きを意識しないと。それとも今回は逆に動いて、次で止めるっていう選択もあるんじゃないか?もし、それを狙うなら、右にもう一度動くべきだ。でも、これは賭けでもある。外したら、、、、、、、。仕方がない。覚悟を決めないと。

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