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7月14日 ミーティング(激闘)

 昨日の激闘が嘘のように、練習が行われていた。昨日の自分になんだか申し訳ない気持ち。ただ、チームの方向性が決まったことはよかったのかもしれない。工藤も宝来も沢田もいつものように練習をしている。ここで俺が気にしても仕方がない。チームのために。そう思ってやるしかなかった。


 ー7月13日ー


 殺伐とした空気が漂うのは誰もがわかっていた。


 工藤「いいから、俺をスタメンで出せよ」

 俺 「沢田が出さないって言ってるんだからそれが全てだろ」

 工藤「は?」


 もう1人の問題児である宝来は黙ったままだった。


 俺 「どうしてもひかないのか?」

 工藤「当たり前だろ」

 俺 「だったら力づくで決めるしかないな」


 さっきよりもさらに張り詰めた空気感になっていた。


 中沢「おい、やめろよ唐沢」

 辰巳「怪我するだろうが」


 中沢や辰巳たちが必死に止めようとしてきた。


 俺 「ケンカじゃなく、PKだったらいいだろ?」

 工藤「お前、この前も宝来に負けただろ」

 俺 「悪いけど、今回は秘策があるんだよ」

 工藤「ハッタリか?」


 正直、秘策なんてものはない。でも、負ける気はしなかった。


 中沢「おい、いいのかこれで?」

 沢田「それでみんかが納得するんだったらいいんじゃないか?」

 中沢「マジかよ」


 みんなどうすればいいかわからなくなっていた。

 

 沢田「じゃあ、お前らも後から文句は言うなよ」

 相田「わかったよ」

 辰巳「それでいこう」

 富山「そうだな」


 みんな何かしらの反応を示してくれた。本当にこれでいいのかはわからなかった。PKをやって勝てる確率もわからない。でも、それ以外でアイツらを納得させる方法は見つからない。沢田もそれをわかっていたのだろうか?


 沢田「ここにいる3年がお前らの戦いを見守る。もし、唐沢が勝ったら唐沢の案で。もし、工藤が勝ったら工藤が考えた案でいこう」


 本当にこれでいいのかはわからない。でも、俺たちの目標はここじゃない。その先にある大会に勝って全国に行くことだ。


 沢田「じゃあ、グラウンド行くぞ」

 

 沢田の合図とともに俺たちはいつものように部室からグラウンドへ向かっていく。勝てるか不安。あの日は、そんな気持ちだった。あの日戦った宝来は、やけに静かだ。工藤よりもこっちの方が気になるな。俺は、中沢からボールを受け取り、PKゾーンへと進んでいた。

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