7月13日 ミーティング(感覚)
俺たち3年は、部室の前で集まっていた。目の前には、沢田が。その横に、中沢、辰巳たちと続いていく。一方、宝来と工藤は話を聞いていないようだ。まぁ、わからなくはない。すると、沢田が戦術ボードを指差した。このボードには、3パターンの戦術が記されていた。
沢田「この戦術のメンバーから、工藤と宝来は離れてもらう」
宝来「は?」
さっそく想像通りの結果となる。
沢田「なんだ?」
宝来「なぜ、俺が最初じゃないんだ?」
沢田「お前は、まだスタミナが足りないだろ?」
二人の言い争いに俺たちは見ることしかできなかった。
工藤「おい待て!俺は?」
横から、床に座り込んでいた工藤は、真剣な表情をして立ち上がった。
沢田「お前もダメだ」
工藤「なんでだよ?」
沢田「お前は、今の中沢や辰巳たちとの攻撃パターンには合わない」
いつもは穏やかな工藤が鋭い目つきで立ち上がり沢田に詰め寄った。すぐに中沢と辰巳が止めに入った。工藤の罵声とともに、俺も立ち上がる。
工藤「てめぇ、ちょっと来いや」
中沢「やめろよ、工藤」
辰巳「落ち着け、落ち着け」
中沢と辰巳の仲裁により、なんとか場が落ち着く。このまま話し合いにはならない。でも、このままでいいのだろうか?すると、次の瞬間、俺は口を開いていた。
俺 「お前ら、本気で勝つ気あんのか?自分が試合に出たいんなら、外でやれよ。勝つためにやるのか、自分が試合に出たいからやるのかどっちなんだよ?なぁ、工藤?」
真っ直ぐ見つめたその先には、俺たちの仲間がいた。
俺 「おい、工藤?どっちだ?本気で言えよ」
工藤「本気ならなんだよ?」
俺 「やめろ、お前みたいなやつ」
まるで、氷点下の中を歩いているような感覚だった。
中沢「おい、お前言い過ぎだぞ」
俺 「は?」
中沢の一言で俺はスイッチが入ってしまった。"いつからだ?いつからここはただのサッカー部になったんだ?他の高校と何も変わらないんだよ。
相田「もし、変わるならラストチャンス」
横にいた相田は声を上げた。
野木「ラストチャンスかぁ」
原田「この船にのるか、のらないか?」
野木「のるだろ?富山?」
ラストチャンス。今逃したら、こんな船はもうないぞ?沢田は一言も喋らずに、俺たちの前に立っていた。このミーティングはどうなるのだろうか?




