7月12日 ミーティング
俺 「どうするんだ?」
沢田「まぁ、工藤と宝来次第じゃないか?」
夏の大会までの戦術について話し合いたい。しかし、それをするには沢田に話しを通さないといけなかった。
俺 「上がってきてんだろ?」
沢田「実際どうか見てないからわかんないよ」
俺は、アイツらの能力が上がってきていると考えていた。でも、沢田はそう思ってないみたいだ。
俺 「練習見てもわからないのか?」
沢田「アイツら練習でサボるからな。ハハハハハ」
笑ってる場合かよ。思わず伝えたくなった。
俺 「じゃあ、どうするんだよ?」
沢田「アイツらと話すしかないんじゃないか?」
話すかぁ、、、、、、、、、、、、。
俺 「いつ話すんだ?」
沢田「明日。3年だけでミーティングを開くよ」
俺 「そうなんだ」
どんなミーティングになるか想像がつかなかった。
沢田「アイツらがキレなきゃいいけどな」
俺 「キレるかもな、アイツらなら」
アイツらとは、問題児の宝来と工藤だった。
沢田「だよな。あるよな」
俺 「たしかにありそうだな」
あの二人をちゃんと使えるのは、沢田しかいなかった。
沢田「キレたら止めてくれよ」
俺 「宝来が俺の話を聞くわけないだろ?」
あの日負けてから、宝来をどこか避けている自分がいた。
沢田「そうか?それはわかんないぜ」
俺 「なんかいい戦略でもあるのか?」
沢田「いや、全くねぇな」
俺 「まじか」
やっぱり、何も考えてなかったか。
沢田「本気で向き合った先に、みんながどういう反応するか。そこが気になる」
俺 「中沢や辰巳とかに協力してもらえば?」
沢田「いや、アイツらにも言わない」
俺 「なんでだよ?」
コイツは、本気で思っている。
沢田「だって、本気で思ったことを言わないと意味がないんだよ」
俺 「まぁ、そうだけど。それだったら、荒れるだろ」
沢田「まぁな。でも、荒れてもいいかなって思ってる自分もいるんだよな」
荒れてもいいなんて考え俺にはなかった。やっぱり、コイツは俺の想像を超えてくるな。
俺 「本気で言ってるのか?」
沢田「ああ。本気さ」
俺 「相変わらず、凄いな」
沢田「どこがだよ、ピンチになってもお前がいるからそんなに気にしてないよ」
俺も、コイツみたいに余裕がもてないとな。自分自身を改めて理解したのだった。




