7月5日 予選ブロック
今日もみんなとは少し離れながらボールを蹴っていた。もう、大丈夫だと伝えるも、沢田はなかなかオッケーをだしてくれない。焦らず準備をしてほしいと言われていた。チームが崩壊しかけていたが、"聖淮戦"を経て、強くなった気がした。待ちに待った初戦の相手も決まった。
抽選の結果、俺たちの初戦は、外山高校に。どんな相手かは知らないけど普通にやれば勝てる。それだけはわかっていた。俺たちサッカー部は、まずは予選会を行いそこで勝ち上がれば県大会に出るという流れだった。予選会は、全10チームで戦う。5日間で9試合という過密スケジュールをこなさないといけない。だから、自ずと選手層の厚さが勝敗をわけるといっても過言ではなかった。
俺たちの予選ブロックは、淮南高校、守田工業高校、八代総合高校、海美高校、取手高校、取手西高校、外山高校、山川高校、象山高校がいる。普通にやれば、どこのチームにも勝てる。問題は、淮南高校のみだ。"聖淮戦"で負けてから俺たちのリベンジはそこに限られていた。5日間で何度も走れないから、ベンチの入れ替えは必須。レギュラーの選手以外にも複数の攻撃パターンなどが必要だ。また、同じ選手が3試合連続で出られないという制限も設けられているため、どの試合で誰を出すのかの選定も大事になっていた。
現時点で、俺たちのオプションは大きく3つあった。一つ目が攻撃型のシステム。エース沢田を筆頭に、工藤と宝来を合わせた3トップだ。しかし、このシステムは中盤がとても走らさせるという弱点があった。二つ目は、相田と富山と辰巳と中沢を3列目に置く守備的システムだった。これは、私立や強豪校と試合をする時によくしていた。そして、最後の3つ目が宝来をワントップとした1-2-3-4というシステムだ。スタミナがあまりない沢田や工藤を外した時に使うことが多い。最近までは、アイツらがいなかったから、よく使っていた。結局、どのシステムにおいても、勝たなきゃ意味がない。
宿敵の淮南高校は、5日間の最後となる。そごで、8勝0敗だったら、安心して戦える。ボーダーラインは1敗までだろうな。大方の予想では、淮南高校、海美高校、そして俺たちの3チームが県大会にコマを進めると考えているようだった。7月29日から始まる5日間。俺たちは、それまでに最高の準備をすることに決めていた。




