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7月2日 聖淮戦XⅣ

 居残り練習で相田兄弟がPKをしていた。兄がボールを蹴り、弟がキーパー。こんな光景も、来年には見られないんだろうな。そう思うと、なんだか嬉しくなっていた。


 ー6月19日ー


 後半18分に玉波のシュートで、この日4点目を献上してしまった。さぁ、どうしようかな。どのタイミングで次のメンバーを入れるのか。ベンチに入った選手は、もう全員アップをしてくれている。一番最初に変わった工藤は、前のめりに沢田と試合を見つめている。しぶしぶ変わった辰巳は、何やらアップしている依田と話をしているみたいだった。

 ボールは、5点目を狙って淮南高校の選手たちがもっていた。ここで、5点目をとられたら時間的に厳しいだろう。やはり4点取られているし、このタイミングで相田を入れるか?相田の弟を投入することはあまり考えていなかった。昔から、試合に出ていなかった俺は、実力で選手を入れるのは好まなかった。後は、1トップの宝来があんまり機能していない。練習もロクにしていないのに、機能するとは思わないけど何かはしてくれるんじゃなかった。そう考えたら、1トップより2トップの方がいいんじゃないか?俺は、そんなことが頭によぎった。山﨑、井川、古山の3選手もあまり上手くいっていない。どうすればいいのか。俺は、走りながら必死に頭を考えていた。

 俺は、必死に足を出し、ボールを外に出した。ディフェンスラインもバテてきたな。俺は、ベンチの方を振り向くと、向こうから辰巳が走ってきた。さすがだ。俺は、自分の考えを事細かに伝え、辰巳はすぐに戻ってきた。聖徳高校の選手が準備し始めた。後半25分。ここで、流れを変えることにした。山岸、中川、若井、相田の4人を投入。そして、攻撃的な戦術に。これは、合宿時に試してみたフォーメーションに近かった。成功する自信なんてなかったけど、最後の切り札として俺は選択したのだ。宝来は、俺の方を睨みながら、何やら呟いていた。俺がやれることはチームに結果を出せることしかなかった。チームをまとめることなんて俺には無理だ。けど、この試合には絶対勝ちたい。最後までこの姿勢を貫くことに決めた。


  【フォーメーション】

     宝来(FW)  唐沢(FW)


山﨑(FW)中沢(FW)井川(FW)山岸(FW)


   中川(FW)      若井(MF)


  羽川(DF) 相田成(DF) 今田(DF)


         相田瑛(GK)

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