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7月1日 聖淮戦XⅠⅠⅠ

 新たな気持ちで迎えるはずだったが、俺にとってはいつもの1日に変わらなかった。


 ー6月19日ー


 この時間帯は、一進一退が続く。藤森のこの日の3本目のシュートが決まってから、淮南高校に流れがいっていた。後半から投入した山﨑がなかなか機能しない。中沢を含めた2列目が機能しないとボールが宝来に渡らない。一瞬の隙を突いて、相田が玉波からボールを奪った。その瞬間、俺も走り出す。相田は、斜め前の富山にボールをつなぎ、すぐさま俺に渡る。やはり左のポジションは慣れないな。すぐ前に淮南高校の選手がいる。でも、この距離ならいける。

 俺は、俊敏な足取りで相手に向かう。だんだん距離が近づく。相手ディフェンダーを目の前にすると、抜けるか不安になってしまう。一呼吸おくことにした。一瞬の静けさがわたり、足元に集中した。これは、フェイントを入れないと抜けない気がする。俺は、すぐさまフェイントで一歩前に出る、相手は俺の動きに反応した。今だ!逆方向へ滑り込み、ボールを切り返した。綺麗に抜き、俺は疾風のように駆け抜けた。このままいけるところまでいく。ペナルティエリアには、宝来が待っていた。ここから、ダイレクトでアイツに渡すか?それとも斜め前にいる中沢。斜め後ろにいる山﨑にパスか?

 でも、俺のパスは最初から決まっていた。は狙いを定め、センタリングを放った。ボールの先には、宝来が。そして、豪快なシュートが打たれたが、ボールはゴールキーパー正面に。ポールをとってすぐに、淮南高校の選手に渡ってしまう。やばい、速攻だ。後ろを振り向き、相田に大きな声を出した。淮南高校のボールは、綺麗に前線へとつながっていく。俺も走りながらボールを追うが、俺がいる左とは逆方向の右でボールがつながれている。なんとか止めてほしい。4点目が入ると大変だ。淮南高校は、速攻のカウンターを狙っていたのだろう。中盤でボールを受けた選手が、一気にピッチを駆け上がっていく。もうすぐだ。ボールをもった視線の先には、またしても藤森がいる。

 今回こそは、アイツにやられてはダメだ。俺は、藤森の方に向かう。俺より先に向かっている相田がマークする。マークをかわしながら、藤森にボールが入った。間のすぐ近くに俺も待ち構える。これなら、抜かれないだろう。そんな俺たちをあざわらうかのようにボールは藤森から玉波に渡る。それは、完璧なタイミングのパスだった。玉波には、羽川が、ついていたがすぐさまふりはらわれる。少し間をとり、シュートを放ったのだ。

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