5月7日 個人練習
俺たちは、部活終わりに個人練習をしていた。それも、終えてボールを拾っていた。今日の個人練習をしていたのは、中沢、辰巳、富山、相田、野木と俺の6人だった。もうすぐ、13時を過ぎようとしていたこともあり、太陽の光も強くなっていた。
俺 「工藤のことわかるか?」
富山「いや、わからんな」
俺たちは、脱いでいたビブスを片付けていた。
俺 「辰巳は?」
辰巳「さぁな。この前、連絡取ったのも2週間前くらいだし」
2週間前かぁ。手がかりにはならないな。
俺 「んー。そうだよな」
辰巳「いるメンバーでやるしかないんじゃないか?」
俺 「それは、そうなんだけどな」
辰巳のいう通りだ。でも、沢田に預けられたんだ。簡単に諦めるわけにはいかない。ちょうど、ボールを回収してきた野木と相田がやってきた。
野木「相田。この前、工藤に会ったのって誰だった?」
相田「誰だっけな、名前が出てこないけど2年の野球部だった気がする」
まさか、、、、。
俺 「なんで、そいつ工藤と会ったんだ?」
相田「なんか、工藤が住んでる地域のやつらしいぞ」
気持ちが先走って上手く説明できない。
俺 「そいつ、誰だ?」
相田「さぁ、わかんねぇな」
サッカー部と野球部の交流は意外と少ない。
俺 「工藤ってどこの中学出身?」
相田「工藤は、八代西だろ」
八代西かぁ。誰かいるのか?
俺 「俺、聞いてくるわ」
相田「やめとけって、まだアイツら部活休みだぜ」
そうだ。アイツらは、もう休みに入っているはず。それでも、なんとかしたかった。
俺 「どうせ、探したらどっかにいるだろ」
相田「まぁ、そうだけど」
ビブスをたたみ終えた辰巳が俺の方を見てきた。
辰巳「あんま、無理すんなよ。工藤」
俺 「わかってるよ」
辰巳「これ以上、人いなくなったら終わるんだから」
俺 「ああ」
辰巳の言ってることは正しい。これ以上、抜けることは許されない。
中沢「だれに会いに行くんだ?」
俺 「いや、まだ決めてねぇけど」
中沢「だったら、俺も行くよ。お前無茶しそうだし」
副キャプテンのコイツは頼もしかった。
俺 「そんなことしねぇし」
照れてしまった表情を隠しながら、飲み物をとった。
辰巳「ついていってやれ、中沢。ハハハ」
中沢「ハハハハ」
俺は、これからのことを考えながらみんなと部室へ引き上げていった。




