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6月28日 聖淮戦Ⅹ

 もう1ヶ月後には、夏休みかぁ。早いな。俺たちは、8月の大会を勝ち進んで、9月以降もサッカーをし続けたい。それが俺の1番の願いだった。沢田、宝来、工藤。この3人が機能すれば自ずと結果ついてくるはず。強い想いを抱きながらボールを蹴っていた。


 ー6月19日ー


 俺は、すぐさまサイドにいる井川にボールを預けた。井川は、ボールを受けすぐさま前を向きドリブルをしかけた。相手選手も必死についていくが、止めることはできない。コーナーにきた井川は、一度止まり、全体の様子を見た。俺は、マークをつかれながらもペナルティエリアを動き回っていた。すると、淮南の選手がボールを出してしまい、コーナーキックとなった。ペナルティエリアには、俺以外にも、沢田、宝来、中沢、古山までが上がってきた。ここで、ミスったらすぐさまカウンターいかれるだろう。俺のところにこい!!

 なまぬるい風が俺たちを包み込む。コーナーキックを蹴る井川は、俺たちに指示を出していた。これは、誰が空中戦を制するかだろうな。井川は、自信に満ちた表情でボールに近づいた。そして、次の瞬間、ボールが空中へ舞い上がる。俺たちと淮南高校の選手たちは、一斉にジャンプして空中戦が始まった。これは、俺のところには来ない。ボールをとりにいくように見せかけ、ディフェンスの方へと戻っていく。淮南高校の守備陣は必死に抑えにいく。ゴールキーパーは前に出てこない。

 ボールは、俺たちの奥だ。走りながら、ボールの行方を見つめると、そこには沢田がいた。なんで、アイツが、、、、、、。ボールはトラップして、ボールをもつ。ドリブルを仕掛ける。次の瞬間、豪快なシュートが飛んでいく。淮南高校の守備陣とキーパーは、ボールを阻止しようと動いたが、それは空振りに終わってしまった。大きく手を広げ、俺のところに来いと言わんばかりの表情を見せた。ベンチから大きな声援が鳴り響いた。ベンチへと下がった、工藤、辰巳、野木たちも手を挙げて喜んでいた。俺も、沢田の方に走り出した。


 中沢「ナイス!!」

 古山「いいねぇ」

 沢田「これで、前半はいけるな」


 前半47分。もうすぐ前半は終わる。対戦相手の淮南高校の選手たちは、悔しさを隠せない。そりゃあ、仕方がない。完全に淮南高校ペースだったんだから。俺たちは、ゆっくりと自軍の方に戻っていく。沢田の言う通り、これで前半は2対2。再び、淮南高校の選手がボールを蹴ったその時、大きな笛の音がグラウンドに鳴り響いた。

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