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6月10日 PK戦Ⅵ

 久しぶりに、俺は相田や富山たちとカラオケに来ていた。想い想いをカラオケの曲にのせて歌いまくった。


 ー6月5日ー


 先ほどのキックで、宝来は4本目も決めたのだった。これで2対4で俺の負けが確定したのだった。俺は、ただただうずくまるしかなかった。やっぱり、宝来は凄い。こんなに人がいる中で、堂々とゴールを決める技術やメンタルは俺も見習わなければならない。しかし、勝った当の本人は、当たり前と言わんばかりの表情をしている。俺は、声が出なかった。

 俺は、俯きながら腰に手を当てていると、相田や辰巳たちが声をかけてくれた。それでも、自分の不甲斐なさに納得がいかない。俺は手を当てながら、ベンチへと戻っていく。ベンチに戻った瞬間、後輩からペットボトルを渡された。ペットボトルの先には、宝来、そして中沢がいた。二人の奥には、沢田が不適な笑みを浮かべていた。そして、上着を脱ぎ、アイツの背番号である「9」が登場したのだった。

 スパイクの紐を結び、グラウンドの奥へと進んでいく姿は、とても懐かしさを感じさせる。沢田の姿を見てか、さっきまで後ろにいた相田や富山たちがグラウンドへ戻っていく。何をしようというのだろうか?俺は、さっきもらったペットボトルの水を飲んだ。少し、頭が冷えたかもしれない。さっきまでの悔しさはどこか飛んでいった。それよりも、沢田たちが何をしようとするのかが気になった。


 相田「今からやるって」

 俺 「何を?」

 相田「PK」

 俺 「マジで?」


 だから、上着を脱いでいたのか。それでも、あそこまで本気になるだろうか。


 相田「ああ。宝来vs沢田だって」

 俺 「どうなるんだろうな」

 相田「お前が負けたのが、悔しかったんじゃないのか?」


 俺は負けたけど、沢田が勝ってくれるのであればそれはそれでいいと思う。


 俺 「アイツがそんなこと思うか?」

 相田「まぁ、それでもキャプテンだからな」

 俺 「そうだけどさ」


 たしかにキャプテンだけど、アイツの行動だけはよめない。


 相田「俺もお前が負けたままでは嫌だぜ」

 俺 「んー、、、、」


 相田がそう言ってくれるのは嬉しかった。


 相田「アイツが見せてくれるんじゃないか」

 俺 「そうだといいけどな」

 相田「見せてくれるさ、アイツなら」


 中沢、宝来、沢田の三人で話し合っている姿を見るのは久しぶりの光景だった。


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