5月31日 再戦
再戦まで残り5日となっていた。5月20日に行われた紅白戦は、2対2で引き分けとなり、全員を含めた再戦を行うことに決定した。今日は、いつもより青空が出ており、気温も心地よいくらいで、とても過ごしやすい季節だった。
20日に行われた紅白戦は、熱戦だった。開始21分に白組の福谷が先制ゴールを奪うと、27分に白組の井川が追加点のゴールをあげる。俺が出るまでは、完全に白組のペースだった。しかし、沢田から指揮官となってからはガラッとサッカーの仕方が変わり、紅組の反撃が始まった。
53分に、辰巳がシュートを決めると、終了間際に俺が同点のヘディングシュートを決めて同点となったのだ。試合が終わった後には、宝来を除く部員39名で全員で1時間の話し合いに。話し合いの結果、今のままだと話が進まないということで、もう一度、5日に再戦しようということに決定した。
別に再戦かどうかは俺にはどうでもよかった。それ以上にチームが強くなって、まとまることの方が先決だった。この前の紅白戦である程度、"聖淮戦"のメンバーが見えてきた。紅白戦で結果を出していたのが、紅組だと、又吉。白組だと井川、福谷だった。紅組の又吉は、55分から、わずか5分間だけの出場だったが、とてもいいパスをくれて周囲を驚かせていた。まだ、1年だし、ゆっくり育てていけば、これからエースになれる逸材だった。
一方の3年の井川、福谷は、沢田・工藤・宝来次第では、十分にレギュラーになれる存在だった。状況次第では、井川が1トップでの起用も十分にあると思っていた。そうなると、沢田、工藤、宝来が2列目になり、中沢、辰巳、俺が3列目という随分攻撃的なサッカーの布陣となるだろう。
次回の紅白戦には、アイツら3人も出る予定だった。5日の紅組には、沢田。白組には、工藤、宝来が参加する予定だった。俺は、紅組だったから、沢田が1トップで試合に出るフォーメーションで俺たちは準備をしていた。
紅組の2列目に、福井、俺、早坂にした。沢田からは、お前が福井と早坂を活かすようにしろと言われていた。本職は、司令塔じゃないけど、コイツらに活躍してもらわないとチームは活性化しない。最大限の頭を使ってコイツらを活かす方法も模索していた。そうなると、3列目も重要になるけど、これっていう選手はいないけど、レギュラーの原田なら何かやれると思っていた。




