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5月30日 紅白戦11

 俺は、みんなが練習をしている風景を見ながら、戦術のことを考えていた。


 ー5月20日ー


 試合は、0対2からの状況から、辰巳のシュートで1点を返していた。しかし、時間は、もう後10分しかない。両チーム残りの選手を投入させていた。しかし、どちらのチームも主力メンバーは変えていなかった。俺たちは、後1点をどうやってとろうかと模索していた。沢田の指示であれば、カウンターのチャンスが必ずくると。

 しかし、ワンチャンスしかないと個人的に思っていた。試合が再開するが、中盤でのボールの取り合いとなり、どちらもチャンスを掴めないでいた。白組は、中沢、井川、福谷が今か今かとタイミングを待っている。少しでも、油断をしたらやられるんじゃないか。

 俺の不安が的中するかのように、中沢にボールが回った。俺は、中盤にいた福谷をマークする。しかし、中沢は、パスを選択しなかった。自身でドリブルを選択する。そして、前へ前へと進んでいく。中沢を止めようと選手たちがいくが、簡単に抜かされていく。このままだと、、、、。

 これは、中沢がドリブルで抜こうとしているのではない。人をひきつけているんだ。簡単にいってしまってはダメだ。俺の不安がつのる。しかし、誰もそれには気づいていないみたいだ。中盤の選手を置き去り、ペナルティーエリアまで攻めてくる。"辰巳!!"。俺は、大きな声を出して、ディフェンスラインまで下がっていた辰巳に後は任せた。

 辰巳は、中沢とマッチアップした。背が高い中沢に対して、体を入れながら守ろうとする。本来なら、もっと下がっているが、沢田からラインを下げるなと言われているだけに、ここから応援することしかできない。中沢は、ドリブルしながら、ボールをキープする。あっ!横から、相田が来ているのがわかった。

 まさか、ディフェンスの相田がくるなんて。残り、3分ということもあるから仕方ないのだろうけど。"来てるぞ!!"。残りの体力をせぇいっぱい振り絞り、大きな声を出した。中沢は、斜め前に走り出す相田にパスを出す。しかし、そこには原田も走りこんでいた。ちょうど、ボールが通るか通らないかくらいのところで、原田は足を伸ばした。

 ボールは、相田と原田の両方の足にあたり、転々と転がっていく。こぼれたボールにいち早く着こうとしていたのは紅組の吹石だった。2年生の吹石は、ロングボールを入れてくる。きた!!!俺の脳内のボルテージは一気に爆上がりとなった。

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