5月3日 合宿最終日
今日は、合宿最終日だった。今日が終われば、残りの期間は休みとなる。もうこの際、点差はどうでもいい。とりあえず、ラインを上げるために、前へと走り込んだ。何も解決せず、合宿最終日。この合宿は何だったんだろう?
昨日の試合に続いて、今日も苦戦を強いられていた。昨日は、試合が終わってから、宿舎先で反省会はしていた。しかし、他の選手は、ほとんど気にしていない。今日も何食わぬ顔して、なんとなく試合をしている感じしかしなかった。だから、負けるんだろう。悔しさを滲ませながら、みんなの顔を浮かべていた。
今日は、中沢と井川の2トップ。昨日とさらにメンバーを変えての試合だった。序盤から、岐阜羽島高校の猛攻をくらう。ゴールキーパーの中川は、再三シュートを放たれ、なすすべがなかった。前半は、岐阜羽島の山田、栗山、木島の3点、後半は、宮地の2点が決められた。
もう、5点のビハインドで、選手たちのモチベーションも下がっていた。なかなかボールをもたしてもらえない試合展開ということもあり、シュートを打たしてもらえない。
パスカットで相田がボールをもつ。そして、サイドへロングパスを出す。俺は、サイドからボールを要求し、前へと攻めていく。しかし、パスを出した先には、山岸が走りだしていた。俺とは、真反対の右サイドへのボールになった。山岸は、懸命に右足を出し、ボールをキープする。まだ、岐阜羽島の選手は、山岸についていない。
山岸は、ドリブルをしながら、中央へと切り込んでいく。この際、ディフェンスのことは考えずに前に行くことにした。あっ、、、、。俺をマークしていた選手は中沢のシュートを警戒して、マークを切り替えた。
右手を挙げ、山岸のパスを待った。山岸は、俺には気づかず、井川へとパスを出した。俺は、パスが来ると信じて、そのまま前へと走り出した。すると、井川は、ワンタッチでボールを出してくれた。俺は、右脚で豪快にボールを振り抜いた。そして、次の瞬間、大きくゴールが揺れていた。
【聖徳高校】
中沢初登 FW
井川直木 FW
山﨑研治 MF
依田雄二 MF
山岸町 MF
唐沢市來 MF
原田透 DF
野木斗真 DF
古山裕 DF
相田成都 DF
中川翔 GW




