表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/75

5月11日 fours

 GWも残り2日となった。結局、昨日は、18時まで待ったが、工藤が帰ってくることはなかった。工藤のお母さんが言うには、みんな待っていることは理解している。それでも、今は行けないんじゃないかということだった。その時、思った。もしかしたら、、、。

 俺の頭の中に浮かんだのは、『fours』だった。foursとは、ここら辺で、ケンカが強い奴の生徒4人のことだった。今どき、ケンカなんて流行んないじゃないかな。俺は、勝手に思っていた。

 一人目が八代総合高校の三上龍志。三上は、部活はせず、高校1年の頃から、ずっと先輩たちと絡んでいて、ケンカをする機会が多いみたいだ。ついた異名が『龍がごとく』。なんとも言えない名前だった。

 二人目は、海美高校の東藤蒼。海美高校は、成績優秀な生徒が多いから、foursとは無縁の関係だと思いきや意外とそうではない。毎日の勉強で溜まったストレスを学校外の生徒とたちにぶつけてよくモメているという噂がたっていた。

 三人目は、淮南高校の山下達也。山下は、1年生の頃から、荒れていた。俺は、山下を知っている。たしか、山下は、遠藤や谷口たちのグループにいたはず。当時一年生だった俺は、先輩たちに絡まれた時に助けてもらっていた記憶があったからだ。大勢でいる時は、何もしないけど、人がいないところで先輩たちとやりやっているという印象が強かった。

 そして、最後が四人目の聖徳高校の工藤明弥だった。工藤がfoursに属しているのは、高校2年の時に聞かされた。たしか、当時は沢田と中沢から聞かされた。てっきり、宝来と間違えかと思っていたが、そうではなかった。ケンカやヤンチャ具合であれば、宝来の方がずっと上だと思っていたのにな。

 俺は、宝来を引き合いに出しながら、工藤のことを考えた。今回、工藤が起こしたケンカ沙汰は、そんなに大したことはない。聞いた時は、謹慎するほどかと思った。しかし、日にちが経てば経つほど、工藤の存在が大きいことがわかった。

 今まで、工藤がしてくれていたことは、俺では到底できないことだった。雰囲気作りや後輩指導など。悔しいを通り越して尊敬の眼差ししかなかったくらいだ。俺は、明日のGW最終日を工藤にかけるか、宝来にかけるか考えなおしていた。このまま、工藤を探してもまともにとりあってもらえないんじゃないか。だったら、危険だが、練習にこない宝来と話した方が確実なんじゃかいかという案が浮かんでいた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ