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捏造の王国

捏造の王国 その53 ニホン国ワクチン接種大混乱!原因の利権まみれ阿〇トップはあの世へ強制排除しますかあ

作者: 天城冴

国際大運動大会強行開催に向け、突貫で始まったニホン国ワクチン接種。しかし利権まみれで悪徳派遣会社トップであるダケナカ氏がかかわったシステムはお粗末すぎて新聞各社から厳しい指摘。不備を直すどころか逆ギレ反論するアベノ前総理兄弟にのけぞるガース総理に、さらに恐怖の事態が…

例年とは違い、春うららの気分もそこそこに、ジメジメした梅雨に突入しつつあるニホン国。ここ、官邸でも陰鬱というより不穏な空気が充満しまくっていた。

「ああ、ワクチンの接種が進まない、このままでは国際大運動大会の開催が…。開催できないと広告会社の便通他がつぶれるし、去年保険料が払えなくて保険を解約してしまったから、スポンサー企業への違約金が…」

と、お茶をすすりつつ薄い頭を抱えるのはガース総理。ここ数日暑い日が続いて冷やし麦茶を愛用していたが、本日は雨のためか、緑茶にしている。

「ううう、7月末まで高齢者全員ワクチン接種といった手前、何がなんでも終了させないと、支持率が…。便通やらダソナにはワクチン接種会場やら、人員集め、予約システムづくりの下請けをうまく回せたとはいえ、それでも赤字、そ、それにワクチンの確保も…。ああ、アメリカにいって製薬会社に直談判しようとしたら門前払いとは」

その時のことを思い出したのか、胃を抑えるガース総理。

「一国の、と、トップが、しかも友好国のトップなのに、なんで、製薬会社の社長ごときに、袖にされるなんて、くぅ」

とその場で抗議できずに、だいぶ後になって陰で悔しがるガース総理。直後に高度な嫌味で返すなり、押しかけるなりすれば、かえって会合に応じてもらえたかもしれないが、それができない自分の卑小さを無意識では認識しつつ、それを改められないというニホン男性にありがちな弱すぎるメンタルを体現している。加えていうならニホン国はアメリカの実質属国であり、対等な立場とはいいがたいことも暗に否定しきれていない哀しさもにじみでているようだ。

「ああ、なんだか腹の調子が、やはりワクチンの件がうまくいっていないからか。宣言出しても出しても自粛どころか、オーサカは既に、もう、アレだし」

と、ぬるめの緑茶を飲み干そうとした途端、不吉な音が鳴り響いた。

「で、電話か、てっきり、あの地獄の書記官とやらの声かと…。いや、あ、あんな声は聞こえなくてよいのだ。と、とりあえず、電話に…、ああ、もしもしニシニシムラ君か」

『そ、総理大変です!ニチニチだの新聞各社にワクチン接種大会場予約システムの大不備を指摘されました!』

「げええ!ダソナにシステム作られたアレか!ふ、不備とは、二重予約ができるとかか!」

『それだけではなく、架空の番号でも予約は可能。さ、さらに今年生まれでも大丈夫。し、しかも2月31日というありえない生年月日でもできてしまうそうで』

「ぎゃー!な、なんだ、それは。どういうシステムだ!いくらなんでも滅茶苦茶だ!それじゃ宇宙人、異世界の住人だって、予約できてしまうではないか!ダソナは何やってるんだ!」

『あの守銭奴の遥かに上というか、借金払えないなら人体パーツで払えと言いかねないダケナカ氏のことですから、その、開発者に値切り倒し、締め切りに間に合わせるために無茶をいいまくったのではないかと』

「そ、それで、今年の2月31日生まれまで、受け付けできるとは」

『ご存じかもしれませんが、大規模システム構築の際にはプログラムそのものにバグがないかの見直し、少しずつ稼働させての手直しなどやるのが当たり前だそうです。ありえない日時を入力受け付けてしまうなど基本のキすらできないということで、その数十億の血税をつかったシステムしてはひどすぎると厳しい指摘で。これを知った国民からは非難ごうごう』

「あ、当たり前だ!こ、これが怒らずにいられるか!ワクチン接種を素早く進めるはずの切り札が、小学生以下のプログラミングとは!ダソナの利権のためとはいえ、どういう技術者雇ったんだ!」

『その、総理、いいにくいんですけれど、ニホンは技術者に対しての報酬が低すぎて…。めぼしい技術者は中国だの、隣国に流出。年収提示金額は東南アジアにすら負けてます…。まあ、何とかなるレベルは残っているとは言うものの、ダソナの中抜きが酷すぎ、締め切りがきつすぎてロクなものができないのではと…』

「ああ、くそ、こ、これでまたワクチン接種完了が遠のくのか。で、キジ防衛大臣や担当大臣らは対処したのだろうな」

『そ、それが、対処というか。ニチニチや他指摘した新聞社に対して不適切予約の法的処置をすると言い出しまして、その、世間では逆切れとはアホか、とか子供以下とか』

「ぎょえええええ!」

と両大臣のお子ちゃま以下の振る舞いにのけぞるガース総理。国民の命に係わるシステムの重大欠陥を指摘したのを逆切れして訴えるなとというとは。しかも公的発言。危険運転を奥さんに指摘されて暴れるDV夫とか、商取引上の重大不備を経理に指摘されたのを逆恨みして首にするパワハラ社長などと同レベル、いやそれ以下。それが自分の組閣した(ことになっている)閣僚とは、情けないというか、思わず熱湯で玉露をいれて、がぶ飲みするほど心的ショックを受けたガース総理。

「あ、アツツ。うう、香りが台無し…。そ、それで」

『その、言いにくいんですが、アベノ前総理まで、愉快犯だのと新聞社を攻撃しまして、その、ニホンをダメにするア〇兄弟だの、妖怪の孫はやはりアレだのと』

「うわあああ」

前アベノ総理の支離滅裂、責任転嫁、滅茶苦茶な思考は今も健在のようである。療養中という名目で引っ込んでいたのだから少しは改善されたかと思いきや、トンデモ言動は治っていないようだ。

「ア、アベノ総理…。役立たずの小さいガーゼマスクだの、トラベルキャンペーンだのやらずに検査だの地味だが基本的なことをきちんとやっていれば、経済も持ちこたえ、国際大運動大会開催もこんなに苦労することはなかったと言われているのに…。アベノ総理の方針を引き継がざるを得なかった面もあって、私がこんなに苦労してるのに…」

と、愚痴るガース総理。

“えー、貴方だって記者さんをいびったり、政治的責任の定義わかんないとか、意味不明な対応してたじゃないですかー、ガースさん。今だって記者の質問どころか、官僚に作ってもらった国会答弁のカンペ間違えて誤魔化せずに全世界にポンコツぶりをさらしちゃうし”

と、遅まきながらの御登場は地獄の書記官。本日はガース総理愛用の湯飲み茶わんからのようである。

(わー、でた。こ、今回はゆっくり茶が飲めるかと思ったのに)

『そ、総理。申し訳ありません、その、また何かあったようで』

「わ、わかった、ニシニシムラ君。両大臣の件については後で、いったん切るから」

“イヤー、大変ですねえ。頭がアレな方々が閣僚だと。まあ、貴方の頭もそんなに良くはないですけど。知能が低かろうとそれを認めて向上する努力すりゃいいんですけどね、知能高い人や専門家、学者さんをやっかんで足を引っ張ったり、逆切れしなければ”

と、痛い指摘をする地獄の書記官。

(う、うるさい。今日は何の用だ、ワクチン接種の遅延を笑いに来たのか!)

“発展途上国にも劣る世界110位だかの低さですか。確かに酷すぎますけどねえ、それじゃなくてアベノさんたちにかかわることでして”

(は?ま、まさかアベノ前総理らが…)

“あ、逝ってくれるかって、ちょっと期待してました?サンカイさんのほうが早そうですけど。そうじゃなくて、ともいいきれませんか、実は彼らのおじいさんとかお父さんとかのことでえ”

(アベノ前総理のおじいさん?って)

“そ、妖怪の戦犯のあの人。まあ貴方も見たように地獄ですんごい責め苦にあってるんですよねえ(”捏造の王国 その14 グンミョウジ春の地獄めぐりツアー・あれが私の死後なのか!byガース長官“をご参照ください)。で、お孫さんお二人の御振舞のせいでえ、さらに責め苦が長引きそうで”

(あ、あれがさらに長引くって、そ、それは相当しんどい)

想像するだけで思わず手が震えるガース総理。熱いお茶を飲んでいるはずなのに、マイナス40度の冷凍庫にいるような気分になってきた。

“でえ、ワクチン担当大臣のお父さんはまだマシだったんですけどお、というか、そもそも煉獄ぐらいで済むはずが息子さんの言動がアレなんで。ま、ご自分でも『息子の育て方を間違えた。アレは現世では要らないどころか害悪、孫や他の親族のためにならん』とか言ってるぐらいで”

現世で害悪?実の息子をどうする気なのだろう、といぶかしがるガース総理をなかば無視して地獄の書記官は続ける。

“それでえ、彼らが、ああいった言動取り続ければニホン国の死者は爆発的数になること間違いなし、国際大運動大会なんて開いた日にゃ、世界ウルトラ級パンデミック。世界人口が半減どころか激減じゃないかと、いっそ、そのほうが良いかもという意見もありますけど”

(そ、そんなことになったら、ニホン政府は一体どういわれるんだ、わ、私が責任を…)

“苦しんで死ぬ国民のことより、大失敗の自分が責任取らされることが心配ですか、いやはや、やはり政治家には向いてませんねえ、ガースさん。ま、ニホンの与党政治家ってそんなもんですかね、メイジの党もそうですが。ああ、話が逸れてしまいましたが、それじゃ我々、地獄の官僚は大忙し。過労死はないですけど休みが何千年も無しってのはきつすぎるんで、打開策として特例地獄送りを認めるかと”

(特例地獄送り?)

“寿命にかかわらず、アホな言動のニホンの政治家たちを父祖の許可取って地獄に連れて行くっていう奴です。本来ならウルトラ裏技なんですが、生かしておくとあまりにも被害が甚大であること、直ではないが子孫が数人いること、父祖など先祖の許可があることなどを理由で超法規的措置っていうんですか、やろうかと”

(ま、まさか、生きながら地獄へつれていかれるっていうあれか!)

“そうでーす。ホントにめったにないんですけど。今回はお父さんやらお祖父さんからも、他の子孫の害になるとかいう意見もありまして。あ、ギジさんは自分がさらにひどい目に合うのが嫌だかららしいです。なんでも『孫もバカ娘もひ孫らも全員、地獄に連れてきてくれていい、その代わり、俺に科された刑期を減らせ、代わりにあいつらに負わせろ』とか取引持ち掛けているとか。さすがに妖怪というか、自分のことしか考えてない非生物らしい発言ですねえ”

(アベノさんのお祖父さんが、そんなことを。まさか本当に連れて行く気か!)

“だから、特例措置だっていってるじゃないですかあ。ホントにそうなるかもしれませんけど。そうですねえ、生産国ですら未承認の中国製ワクチン内緒で打って気が緩みウイルス対策を怠った前総理の奥さんたちが超変異種にかかってえ、なまじ変なワクチンを先に打ったおかげでえ、治療が効くどころかすればするほど苦しんで死んでいくってシナリオはどうかと。これなら一応科学的にも理屈はとおりますしい、世間の人々も納得しますからあ”

(ひいい、そ、そんなことで納得するか!ま、まさか、私も?父は、父はなんと)

“あ、そこはまだ聞いてませんけど。でも、貴方が政治家になるのとか反対だったみたいですねえ、お父さん。それにお父さんも満州とかで、ねえ。さて、どうおっしゃいますか”

「わあああ」

叫びながら、鳴った電話の受話器を取るガース総理。

『あ、もしもし総理、た、大変です』

「こ、今度はシモシモダ君か、い、一体なんだ」

『本来冷凍保管のワクチンを冷蔵保管、酷い例では常温保管でダメにした例が続出しまして。ワクチンが大量に無駄になる事態が多発しております!』

「な、なんで、そんなことに」

『そもそも厚労省が冷蔵でもなんとかなるとかいって、冷蔵保管の容器を発注してしまったらしくて。ニシニシムラ総理補佐官が今、その経緯を調べているんですが、担当者に話を聞いたところ、とんでもない答えが返ってきたらしく、彼も頭を抱えています。その、厚労省の担当者の多くが、なぜ冷凍でなければならないのかというmRNAワクチンの性質そのものを理解していないらしく、中には“冷凍のコロッケだって、再冷凍してもなんとか食べられる!”などと意味不明なことをいうものもおりまして…』

冷凍コロッケと最新のmRNAワクチンは違う、そんな当たり前のことすら理解できない中央官僚に、重大ミスを指摘されて逆切れする精神が幼児な閣僚。ニホン政府中枢のありえない壊れっぷりを嘆くのではなく

「ああ、なんでこんなことばかり、私がトップの時に起きてしまうんだ。も、もしトップがから責任を取れとか言って、ち、父が、私の地獄送りに賛同したら…。い、いや私はまだ、そんなにヒドイこと…、アベノさんよりたちが悪いとか言われているし、ど、どうしよう…」

あくまでも自分の身だけを心配する、やはり非常識すぎる首相、ガース総理であった。


どこぞの国では国の命運にかかわりかねないシステムの不備を指摘すると逆ギレする与党幹部がいるらしいですが、こんな国に軍をおいている友好国はさぞかし不安ではないでしょうか。国防を担うところで初歩的ミス連発するところと同盟なんて怖くてやってられないですよね。いずれパンデミックを理由に完全属国にして、みっともない政府は完全排除したほうがいいとか言われるんじゃないですかねえ。

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