先輩とぼくとの大逆転ってこと!
三人の取り巻きが倒れた。
手足をピクピクさせて蠢いている。
「小野。お前の本音聞かせてもらったぜ」
先輩が三連フルートの足部管を手にしてブラブラさせてた。
頭部管、主管がフラフラと小野さんたちに迫る。
「や、やれ」
小野さんの叫び。
取り巻きの生徒たちが飛びかかる。
三連フルートが大きく円を描いた。
ウワーーーーーーッ
取り巻きたちの体!
一瞬で宙に飛んだ。
次々、床に叩きつけられる。
残ったふたりが恐怖の表情!
ドアに向かって走りだす。
三連フルートを投げつける。
横に回転しながら飛ぶ三連フルート!
ギャーーーーーーーッ
大きな悲鳴。
ドアに叩きつけられる。
そのまま動かない。
次の瞬間!
三連フルートが先輩の手の中。
小野さんと杉浦君がブルブル震えている。
「さあ、お前ら決着をつけるか!」
先輩が小野さんと杉浦君にゆっくり近づいていく。
「小野!勝手に机を片づけた・・・」
ぼく、あわてて訂正。
「椅子もです。
権限もないのに・・・
それに勝手に教科書とか捨てようってしてました」
小野さんったてらフラフラ。
「杉浦」
先輩が杉浦君に声をかける。
杉浦君の顔って真っ青。目がうつろ。
「あたし、日下健のカレ氏のつもりだけど!」
えっ?
思いがけない言葉。
だけどハッキリ聞いた。
先輩の表情ってぜんぜん変わらない。
「お前になんで宿題教える必要あるんだ。
説明しろ」
杉浦君、その場に土下座。
「すみません。この太って見苦しい男が、ぼくらに命令したんです。
しかたなくやらされてました」
小野さん、口をだらしなく開けてヨダレが垂れている。
「あああああ・・・・そのそのその・・・
杉浦。恨むぞ・・・」
先輩がぼくに顔を向ける。
「日下君」
優しい猫なで声。
「こいつらとの話、スマホに録音したんだよね」
「はい!
恐喝の動かぬ証拠。学校より警察に届けようかと思います。
いまもこの人たちに暴力を受けるところ、先輩に助けられました。
ぼくを助けるためのしかたない行動でした」
ふたりとも完全にギブアップ。
土下座して頭こすりつけてる。
「小野さん。
スマホっていろんな使い方出来るんです。
杉浦君。
君に宿題教えられない」
「お金、返します。慰謝料払います」
「ぼくって、小野さんのただのロボットだったんです。ホントです」
先輩ったら三連フルートをふたりの前でブラブラさせてる。
「まあいい。お前らの弁解、場所替えてゆっくり聞こう。
まあ、お前らがな。
留守中に東校舎のあたしらの部屋、勝手に使ってないこと願ってるよ。
いま、大澤たちがいるはずだが・・・」
小野さんの巨体が横たわる。
迫りくる恐怖による失神・・・




