小野さんと向かい合ったってこと!
「なにやってんだ」
屋上に小野さんの声が響き渡った。
ぼく、こっそり先輩の机や椅子を屋上に運んでた。
雨にあたらないところに置いて、防水シートをかけてた。
小野さんと取り巻き十人に囲まれてる。
「マッドキャットはもう戻らないんだよ」
「だれのことですか」
ぼく、小野さんと向かい合った。
「ふざけるな。月影のバカのことだ」
「月影サキ先輩のことですね」
小野さんとしっかり向かい合う。
磯部先生って、先輩に恨みをもつ人たちが机やロッカーの中のものを勝手に倉庫に運んだりすることを知っていた。
生徒指導の先生にも相談したが、もともとキラわれている先輩のこと。無視すればいいってなったそう。
「机や椅子とかは壊されても新しく入れるから。
でも教科書とか保管しておいてくれて本当にありがとう」
磯部先生はそう言ってくれた。
だけどぼく、机や椅子をそのままにしたくなかった。
もし戻ってきたら新しい机や椅子を入れると礒部先生は言ってくれた。
だけどぼく・・・
先輩のものを、ほかの人たちに勝手なことされるの絶対イヤだった。
「勝手なことしやがって。ふざけるなよ」
小野さんに襟首つかまれた。
ほかの取り巻きも迫ってくる。
「勝手なことしてるの、あなたたちでしょう」
ぼく、小野さんの目を見てハッキリ言った。
「なんで勝手に、先輩の机とか椅子、片づけるんですか?
説明してください」
小野さんがぼくの顔に唾を吐く。
「だから言っただろう。
マッドキャットはもう戻らないんだ。
月影のバカめ。勝手なことばかりしやがって!
アホか。てめえ」
ギャーーーーーーーーッ
複数の悲鳴が上がった。
ぼくには最初から見えた。
小野さんたちが振り返る。
振り返ったら・・・
三連フルートを右手にした先輩がいた。




