ぼくたち青春真っただ中ってこと!
「組織犯罪機動捜査班」の部屋。
ぼくが入っていったら文さんが軽く会釈。
ぼく、しっかり頭を下げた。
文さんの顔見たら、なんだか心があたたかくなる。昔の麻衣ちゃんみたいに・・・
文さんが来客用のソファに、母とぼくを案内する。
「わたしは大阪の仕事が残ってるからこれで・・・
それから!」
母がぼくの顔、真剣な表情で見る。
「麻衣ちゃんの件。また来る。
麻衣ちゃんも来るから・・・
ヨシ君や山宮の伯父さんも一緒に来るかも・・・」
「はい」
「おじいちゃんも来るかもね」
とどめの一言。
「松山君」
母の言葉に松山さん、直立不動!
「はい!」
母が厳しい目で松山さんのこと見る。
「君は優秀な後輩ではなかったね」
ドアが閉まった。
松山さん、フラフラとソファに座る。
「それで君の話したいことは?」
「盗撮画像の販売業者の件です。肝心の盗撮画像がまだ見つからないんですね」
「そうなんだ。
逮捕した業者、高橋岩雄の出入りしていたところのコンピューターも全てチェックしたし、保存用のカードに入ってないか探したが見つからない。
反社会的組織の資金源になってるという情報もあり、必死で探してるんだがね」
「ぼく、分かります」
松山さんが驚いたように僕のこと見る。
「あのね。
冗談を言ってるんじゃないね」
「ぼくの祖父も父も警察官でした。母も検事でした。
松山さんも知っているはずです」
「だがね。君は学生だろう」
「でもこの前、事件の解決に協力しました」
「もう一度、できるのかい?」
「先輩を助けたいんです。だからもう一度、できると信じてます」
「取引したいわけだね」
「先輩がしたことはよくないことかもしれません。
でも被害者だという人も、あんまりいい人だちではなかったと思います。
そうじゃないんですか?」
ぼくは必死だった。どうしても先輩を助けたかったもの。
先輩と・・・
もう別れたくなかった。
「どうして」
って言われたって分からない。
「説明しろ」
って言われたら、こう言うかも・・・
「青春の中で生きてるから!」
僕は青春の中で先輩に出会って、先輩のそばにいたかったんだ。
だから梅華高校に来た。
だから先輩を助けるんだ。
「分ったよ」
松山さんがため息。
「ぼくも自分が可愛いからね」




