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松山さんに相手にされなかったってこと!

 放課後。いつものように警視庁に行く。

 受付カウンターに松山さんが出て来た。

 婦人警官の文さん一緒。


 「月影さんはもうここにはいない。君のことは話しといた。

 明日から来るのはやめたまえ。

 無駄なことだ。彼女は帰らない。

 あまり月影さんに関わると、君にもよくないことがふりかかるぜ」

 「先輩はどこにいるんです?」

 「本人の自宅じゃないことは確かだな。

 さて、君が来ても相手にしないように受付に指示しておくか!」


 出入り禁止になったみたい。


 「何度でも来ます。相手にされなくても!」


 ぼく、松山さんのことにらみつけた。


 「ぼく、何とか先輩を助けたいんです!」


 そうハッキリ、松山さんに告げた。


 松山さんって冷たく僕を見てる。鼻先で笑った。


 「青春だなあ」


 松山さんが、つぶやくように言った。


 「だが彼女は戻らない。どちらにしても、君らは別れたままさ」


 そう言って、僕に背中を向けた。

 思い出したように振り返り、あわれむように僕を見た。


 「すぐに青春なんて過ぎ去っちまうぜ」


 松山さんが去った。

 文さんはその場に残った。

 僕に冷たい缶コーヒーを握らせてくれた。


 「すみません。本当にありがとうございます」


 文さんは笑顔で立ち去った。

 ぼく、コーヒー缶を頬に押しつけた。

 心地よい冷たさだった。

 しばらくコーヒー缶の冷たさを体感している。

 先輩も、冷たいドリンク、飲めるのだろうか?

 あそこにある自販機のコーヒー、先輩に買ってあげたい。

 ふと、自販機の横の掲示板が目に入った。


 「情報募集!解決に至った情報には賞金がつきます」


 この前も受付で見た。

 いくつもの事件を紹介したチラシが貼られていた。

 ぼくってお祖父さんやお父さんのような警察の仕事なんてキライ。

 母のような検事や弁護士の仕事だってする気持ちなかった。

 ミステリーっていうものは、楽しむだけって思ってた。

 でもぼくにだって、お祖父さんたちのDNAが流れてるはずだ。

 お祖父さん。お父さん。お母さん。

 ぼくっていい孫じゃありません。

 いい息子でもありません。

 でもお祖父さんにもお父さんにもお母さんにも青春の時代があったと思います。

 いま、ぼくって青春してます。

 どうか、お祖父さんやお父さん、お母さんのDNAを貸してください。

 ぼくの目に、


 <盗撮画像販売事件について情報提供をお願いします>


とチラシが目に入ってきた。

 この前も見たんだ。このチラシ・・・


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