またまた小野さんからのイヤガラセってこと!
放課後。
突然、一年の生徒が呼びにきた。
杉浦という七組の生徒。名前だけは知ってる。
髪を金色に染めていた。ふたりの生徒が一緒。
「一緒に来い」
「君たちは?」
「来ればいいんだよ。パシリのくせに」
丸山君がカバンを持って飛び出していくのが見えた。
彼って利口だって思う。
そのまま、三人に屋上に連れていかれた。
屋上に、小野さんと五人の二年生。
先輩の代わりに屋上使ってるみたい。
「おう。学生服直したんか」
小野さんの勝ち誇ったような声。
「お前。月影のバカに勉強教えてただろう」
小野さんが煙草口にくわえてる。
「言いたくありません」
「じゃあ、言うな。
杉浦にヨー。
英語と現代文のワーク貸してやれ。
明日の朝、七組に取りにこい」
杉浦君たちが、小野さんの近くでニヤニヤ笑ってる。
「いやです」
ハッキリ答えた。
返事の代わりに杉浦君に殴られた。
必死でカバン抱えて守った。
床に突っ伏して、どんなに蹴られたって放さなかった。
「おい。そのくらいにしとけ」
小野さんの声。
「杉浦。今日はあきらめろ。
まだ明日がある」
ぼくカバン抱えたまま、顔上げた。
「これで済むと思うな。
オレはな。
松下さんに、この学校を任されたんだ。
てめえなんか月影のパシリのウジ虫だ」
小野さんのすごみのある声。
ゆっくりと歩き出す。
取り巻きの生徒たちが続く。
ぼく、そっとスマホ取り出した。
小野さんたちのやりとり聞こえてくる。
「このゴミヤロー。
松下さんの言うこと聞かないと承知しねえからな」
「松下さんにさからってただですむと思うな」
「松下さんがな。黙ってないんだ」
そして・・・
「言いたくないけどな。
てめえら!オレは小野だ!」
放課後。
学校の地下室に急いだ。
地下室は倉庫に使われてる。予備の机や椅子、ロッカーなどが置かれている。
そして片隅に壊れた机や椅子。
だけど壊れてない机や椅子まであった。
机の中に教科書やワークブックが詰め込まれてる。
先輩の名前が書かれてる。
体操服の袋まで置いてある。
地下室からひとりで運び出して、ドアの前に置いた。
最後に椅子を持ち出したとき・・・
小野さん、杉浦君、取り巻きの男子生徒が七人。
小野さん、ぼくを見下ろしてくる。
「なにしてる」
「先輩の机とか椅子がありました」
杉浦君やほかの生徒が叫ぶ。
「あいつは帰ってこないんだよ。バカか!」
「よけいなことするなよ」
「倉庫に戻せ」
小野さんがニヤニヤ笑う。
「みんなそう言ってんだよ。
おい、ゴミはゴミらしくしてやれ。
机も椅子もぶっ壊して、教科書なんかビリビリにしろ」
「やめてください」
あわてて机に覆いかぶさる。
すぐ体中、殴られて机から引き離された。
杉浦君にキック浴びせられた。
男子生徒たちが教科書を手にする。
「やめてください」
必死だった。
財布取り出して小野さんに渡す。
小野さんが中のお金を抜き取る。
ぼくに投げ返した。
「足りねえんだよ」
杉浦君に頬殴られ、脚をひっかけられた。
倒れたところを生徒たちに踏みつけられた。
最後に小野さんに唾をかけられた。
「月影のパシリ!」
「教科書、欲しいんなら持ってけよ。
だが机や椅子は置いていけ。
教室に戻したかったら、あと一万持ってこい」
小野さん、そう言い残して歩き出す。
「松下さん、忙しくてこっち来れないからな。
オレが松下さんに許可されてよ。
この学校をしめてるってワケだ」
杉浦君たちが、小野さんに続く。
「オレたちの後ろにはな。
白鳥高校の生徒会長で、大会社の御曹司の松下さんがついてるんだ」
「松下さんの言うこと聞かなかったら、承知しないからからな」
「松下さんはな。神様なんだ!」
「松下さんに跪くんだよ」
小野さんが哀しそうに叫ぶ。
「もういい。バカヤローッ」




