先輩のパンティについて話したってこと!
松山洋介さん。
入学試験の当日、この人を見た。好意的でない目で先輩を見つめてた。
年齢は三十代後半?一見穏やかな表情。だけどよく見たら上から目線強烈!
「松山さん!」
文さんが松山さんに声をかけた。
「盗撮写真の販売業者の件ですけど・・・
販売してた画像自体、まだ本人のところから発見されてないってのは本当なんですか?」
松山さんがぼくの方に目を向ける。
「君も不用意なこと言うね」
「松山さんは、月影サキも関係してると話してました。
彼にも聞かせたらどうですか?」
「分かった。いいだろう。
盗撮写真の販売業者、高橋岩雄の家を厳重に家宅捜索したが、パソコンにもスマホにも画像は入ってなかった。
画像を収めたSDカードのようなものも発見されてない。
もちろんプリントのかたちで所持してないか調べてみたが見つからなかった。
実家とか心当たりのところも調べたが・・・」
「いまのままだと、処分保留で釈放になるんですか?」
「なにしろ肝心の商品が発見されないからね」
松山さんがぼくのこと横目で見た。
「君ら高校生にも関係あることだ。おおぜいの高校生が盗撮の被害になってる。
君が名前をあげた月影サキが盗撮写真の元締めをやっている。
高橋にも販売したというのがぼくの見立てだ。
君もずいぶん興味深い人間と知り合いというわけだね。
そして君の用件というのは?」
「月影サキさんは、窃盗事件の犯人じゃありません」
ぼく、思わず大声出してた。
「嬉しい話ではない。
月影サキを取り調べる理由がなくなるじゃないか。
だがね。
君の言うことが正しいとは限らないんだ。
日下君!君と月影さんの関係は?」
「後輩です」
「ずいぶん親切な後輩だね。彼女が無実だって理由は?」
「月影さんは、梅華高校を呼ぶ時、いつも『うち』っていいます。学校の名前なんて言いません。
そんなことしたら命取りになります」
「それで?」
「月影さんと一緒にいる仲間は、いつも『サキさん』って呼んでました。呼び捨てにしたことなんてありません」
「なるほど。それで?」
「サキ先輩って・・」
言ってからぼく、ハッと口を押えた。
松山さんって薄い笑い。
「続けて・・・」
少し迷ったけど、やっぱり言わなきゃ・・・
「サキ先輩って、いつもスケスケのレースのパンティ履いてます。
花柄のパンティって、ぜったい履きません」
「間違いなく?」
「見たくないけど、毎日見てます」
ぼくって多少、事実でないこと言っちゃった。
「僕と別れてから、花柄のパンティに履き替えるなんてしないと思います」
自分の顔が真っ赤って分かります。体温も一気に急上昇。
「よく分った」
松山さんがうなずいてくれた。
「君はだれかが彼女を陥れようとしたというんだね」
「多分、サキ先輩と喧嘩したり他の高校の生徒の仕業だと思います。
サキという名前と梅華高校の名前を出す必要があったんです。真犯人がサキ先輩に会った時分は、まだスケスケのレースのパンティ履いてなかったんだと思います」
松山さんが笑った。
「確かに興味深い話だ」




