またまたアブナイ人が出てきたってこと!
屋上にたったひとり。
壁にもたれて先輩の宿題。
課目は「英語」。
怒られたって構わない。
ちょっとくらい・・・ちょっとくらいなら暴力を受けたって構わない。
あくまで「ちょっとだけ」!
三連フルート使ったりCBレール使うのはやめてくださいね。
本当は先輩・・・。
ぼくってどんなことされたっていいんです。
だけどすぐそばに先輩がいてくれれれば・・・
先輩って英語、どのくらい分かるのかなあ?
受動態ってたぶん分からないだろうな。
不定詞だってムリだって思う。
未来形や仮定形もきっとムリだ。
そうだ!
I am a student.
くらい分かるだろうか。
I am Ken Kusaka.
I am Saki Tukikage.
we are friends.
でもひょっとして・・・
もしかして・・・
きっと分からないんじゃないだろうか?
早く先輩のこと、助けてあげたいのに・・・
先輩ったら聞いてくれない!
宿題ならぼくがやれます>
だけどテストの本番では先輩、自分でやるしかないんですよ。
一緒に勉強やってください。
でも聞いてくれないだろうな。
ため息つきながら宿題続ける。
英単語・・・
「エーーーッ、これが・・・
『monkey』、『red』、『face』・・・」
そのとき・・・
「おい!」
声が聞こえたような。でも気のせいだよね。
次は「英文和訳」。
「えーーーっと、この英文の訳は・・・
『猿が木から落ちて顔をすりむき真っ赤になりましたが、ケガ保険に入ってたので通院費が保証されました・・・』」
そのとき・・・
「バカヤロー、いい加減にしろ!」
男の人の声!
気のせいなんかじゃなかった。
顔上げたら!
ゴリラがブレザーの制服着てた・・・
なんで・・・
「さっきから、『猿』とか『顔』とか『赤』とか・・・
オレに喧嘩売ってんのか!」
ゴリラそっくりの人が叫んでる。
ぼくらのブレザーと少しちがうんで、他校の生徒のようだ。
ゴリラそっくりの人の後ろに、同じブレザーの男の人が五人。
そういえば今日、私立のフェスティバルでAブロックの学校の代表が集まるって、ホームルームで言ってた。
「喧嘩なんて売ってません!」
英語の勉強してるのに、なんでそんなこと言われるんだろう。
「ぼく、『ゴリラ』なんて言ってません」
(しまった)
って思ったときって、もう遅かった。




