先輩に自分の気持ち伝えたってこと!
「死ぬのイヤだろ」
先輩の低い声。
「イヤです」
先輩、慣れた手つきで火をつける。
煙、ぼくに吐きかける。
「じゃあ、黙ってろ」
「イヤです」
先輩がカッターナイフ取り出す。
刃先をいっぱいに突き出す。
ぼくの頬に刃先を突き付ける。
「死ぬか黙るか?どっちだ!
あたし怒らせたらサ」
突然、頬が冷たくなった。氷点下の温度。
刃先が頬を滑った。
チクッと痛み。
かすかに生臭い香り。
「なにやるか分かるだろ。
優等生の日下健君」
「こんなことやめてください」
知らないうちに目頭熱くなってた。
「先輩、つかまっちゃいます」
「てめえと関係ねえだろう」
「ぼく、先輩と一緒に宿題や勉強したいんです。
こんなことやってたら、一緒に勉強なんかできなくなります」
ぼく、しっかり先輩の顔を見た。
「先輩がいなくなるなんてイヤです」
先輩、じっとぼくの顔見てる。
不機嫌な顔。
「ウソはやめようぜ!優等生の日下君!」
カッターナイフ、ブラブラさせる。
刃先から赤い液体が飛び散った。
「ウソなんか言ってません。
一緒にいたいんです!」
先輩ったらもう一回、ぼくの顔、じっと見つめた。
考え込んでる顔。
しばらくしたら目がランランって輝いた。
「なめんなよ」
カッターナイフの刃先、今度は首筋!
「あたしの機嫌とって、慰謝料とかいろんなことウヤムヤにしたいんだろう。
そうはいかねーぜ!
金払え。親に頼めよ」
ぼく、こわかった。
だけどホントのこと言ったら・・・
すっごく心がときめいた。
「うやむやになんかしません。ぜったい・・・」
「じゃあ言えよ!慰謝料はどうする?」
「払いません!なにも悪いことしたって思ってません」
「そうか。
あたしは悪人ってワケか。
うっとうしいのにからまれたつて言いたいんか。
言えよ。あたしのこと、どう思ってるか!」
ぼく、ミニスカートの裾からのぞく先輩の膝小僧見てた。
「先輩のこと、大好きです!」
白い膝小僧が揺れた。
クリームみたいな甘い香り。
空って・・・
こんなにまぶしいんだ・・・
大きな声で言ったつもり・・・
だけどどうだったんだろう・・・
先輩の頬ってピンク色。
聞こえてる。
よかった!
「だから赤点とったり留年したりしないように全力でフォローします」




