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謎解き聞いても先輩、喜ばないってこと!

 「演劇部の横山さんが、演劇部の小道具だって言えばいい。

 たとえ先生とか警察が演劇部に確認したって、


 『そんな物、用意してって頼んだ覚えない』


なんて命知らずのこと言う人、だれもいませんよね。

 先輩がこわいから・・・」


 先輩、煙草を口にくわえる。

 美柳さん、あわてて火を点ける。

 煙がひっきりなしに吐き出される。


 「ぼく、ロープで縛られたのをほどきました。

 だから次、ぼくのこと監禁するなら、ぜったい手錠使うだろうって想像つきました。

 本物の手錠ならちょっとやそっとじゃはずれない。

 ショック与えたくらいじゃ壊れない。

 だけど警察とか使う本物の手錠なんて持ってれば、いざってときに言い訳がつかない。

 だから演劇部の小道具だって説明できる玩具の手錠使うだろうって思ったんです。

 昼間に駅前の玩具屋で訪ねてみました。


 『梅華高校の演劇部なんですけど、舞台に使うんで手錠を買いにきました。

 先輩が前にも買ったっていうんですけど、どの手錠でしょう。

 先輩に電話しても通じなくて…」


  すぐ店長さんが、


  『ああ。この前の梅華の女子生徒はあなたの先輩ですか。

  確かに十個買っていきました。

  これですね。

  鍵もついてます。玩具の手錠だから、鍵はどれだって同じですけどね』


  ぼく、その手錠を買いました。

 だから手錠はめられたって、鍵使えばすぐはずせたんです」

 先輩がぼくに向け、大きく煙を吐いた。


 「日下君。鍵なんか持ってなかったって思うけどな。

 どういうことか説明してくれるか?」


 先輩が一方、前に出る。


 「鍵、どこへ隠した!」


 先輩ったらぼくのこと、ジーッて見回す。


 「先輩のブレザーのポケットです。

 部屋にはいったとき、ぼくにからんだり、暴力ふるったりしました。

 先輩がそんなことするの、すごくイヤだったけど、隙を見てポケットに隠したんです」

 「そっか!」


 先輩の口元が直角に曲がった。目が白く輝いた。


 「ブレザーやめるか。いつもカーディガンにしよう。ポケットのないサ」


 先輩が煙草、ぼくに投げつけた。


 「先輩が部屋出る直前、ベッドに来てぼくに暴力ふるったとき、先輩のブレザーのポケットからまた取り出しました」


 ぼく、煙草の吸殻拾ってハンカチに包んだ。


 「ベッドに近づくとき、これから気をつけるか!

 離れて竹刀でぶん殴る手もあるか」

 「右手に手錠の鍵持ってたけど、両方の手足をベッドの柵に手錠でつながれてました。

 鍵を使うのが不便でした」

 「それでもムリして鍵ではずしたか?」

 「右手首の手錠をベッドの柵に何度か打ちつけました。

 すぐ手錠が壊れて手首からはずれました。

 玩具だから・・・

 それからほかの手錠を鍵で・・・」


 スクールシャツのおなかの部分に痛み。

 カッターナイフが足元に落ちた。

 刃先が長く突き出てる。


 「面白いな」


 先輩、また煙草吸ってる。


 「日下君にはサ。

 だけどナ。

 あたしがそんな話聞いて面白いって思うか?」


 なにも答えられない。


 「あたしサ。頭きてるんだ」


 

 

 





 

 

 



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