表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
58/94

麻衣ちゃんとの別れってこと!

 「聞いてくれる」


 麻衣ちゃん、中腰になった。

 ぼくと顔の高さ、同じになった。


 「健ちゃんにひどいことしたって思う。

 だけど聞いて。

 警察庁に入ること勧められて、将来、健ちゃんと一緒になること勧められた。

 だけど健ちゃんって、ずっと小さいときから一緒。

 本当の姉弟みたいに思ってた。

 だから結婚のこといわれて、実感わかなかった。

 そのときはね。

 健ちゃんって、わたしがいなぎゃなんにも出来ないちっちゃな弟のイメージしかなかったの。

 だけどやっぱりわたしにとって、かけがえのない人間だって、ロンドンで気がついたの。

 長い間、ひとりぼっちにしてごめんね。

 わたし、もう心動かすことないから。

 安心して!」


 そのときのぼくって・・・

 ぼくって・・・

 ぼくって・・・

 心が弱いから・・・

 やっぱり大きく心が動いた・・・


 「麻衣ちゃん!」


 麻衣ちゃんの顔をまっすぐ見る。

 

 「今晩、一緒にいてください。話したいんです。

 そばにいたいんです」


 麻衣ちゃんの目が曇った。


 「ごめんね。それは・・・」


 ぼくの心に・・・

 先輩のこわくて冷たい顔が浮かんだ・・・

 口元を直角に曲げてぼくのこと見下ろしてる・・・


 「麻衣ちゃん!」


 目の前の麻衣ちゃんをもう一度、まっすぐ見つめる。


 「ずっとずっと好きだったんだ!

 いまだって!

 たぶんこれからもずっとずっと!」


 麻衣ちゃんの顔が見えなくなった。

 麻衣ちゃんの顔・・・

 蜃気楼のように薄くてボンヤリと、だんだんと消えていくんだ。


 「さよなら!麻衣ちゃん!」


 そのまま背を向けて走り出してた。


 「健ちゃん!」


 遠くで麻衣ちゃんの声。


 「待ってよ!」


 走り続けた。

 気がついたら家の近く。

 公園の前。

 人通りのない道。

 ぼくだけだった。

 しばらくそこに立っていた。

 いま来た道を見つめていた。

 ぼくって、待ってたんだろうか?

 あのまま大阪へ帰った麻衣ちゃんのこと。

 もしかしたら最後まで追いかけてくるすかもしれないって・・・


 スマホの待ち受け画面を見る。

 こっそり撮った先輩の不機嫌な顔。


 「ごめんなさい。先輩・・・」



  

 



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ