麻衣ちゃんを見送ることに決めたってこと!
ファミレスの正面。
麻衣ちゃんがぼくの肩押さえた。
「車回す。
家まで送る。車の中で色々話そう」
本当は嬉しかった。
だけど、もう麻衣ちゃんに甘えちゃいけないって思う。
「近いから大丈夫。
ひとりで帰れます」
大阪まで結構遠い。
駅からタクシーに乗るって思うけど、これ以上、遅くなったら大変だもの。
「ごめんね。
休むつもりだったけど大事な事件の関係で・・・」
麻衣ちゃんが悪いんじゃない。
ぜったい休んじゃいけないんだ。
いまの麻衣ちゃんにとって一番大切なことって警察庁の仕事なんだから・・・
そう心に言い聞かせてる・・・
「ねえ。
久しぶりだからふたりで自撮りしよう!」
麻衣ちゃんのはしゃいだ声。
ぼく、返事しなかった。
黙ってそこから離れようってした。
「待って!これ!」
麻衣ちゃんがほくの左手首つかんだ。
中学に入ったとき、麻衣ちゃんにプレゼントしてもらった腕時計。
麻衣ちゃんって、腕時計はずすとぼくのジャージのポケットに入れた。
ショルダーバッグから赤い小箱を取り出した。
ブルガリの腕時計。
ぼくの左手首にはめる。
腕時計の入ってた赤い小箱をぼくの手に握らせる。
「麻衣ちゃん。ありがとう」
ぼく、心いっぱいのお礼伝えた。
「ずっと大事にするね」
麻衣ちゃんが微笑んだ。
ぼくの頬をなでてくれた。
小さいとき、よくこうされたんだ。麻衣ちゃんの手って柔らかくすべすべで気持ちよかったんだ。
「またイギリスに行くの。
スコットランドヤード大学卒業生の特別研修。
実際にスコットランドヤードでの捜査にも参加する。
いい成績を残せば、数年たったら警察庁の幹部になれるっていわれた。
いまね。その準備や引継ぎで忙しくて・・・
本当にごめんね・・・」
それを聞いたらぼく、本当に嬉しくなってきた。
さすが、麻衣ちゃん!
だってぼくの自慢の幼馴染!正義の味方なんだもん。
「麻衣ちゃんならきっと大丈夫だって!」
ぼく、キッパリと言った。
「警察庁長官になってね。ぼく、ずっと応援してる。
腕時計、ありがとうございました。
気をつけて帰ってね」
最後に心いっぱいお辞儀をした。
顔を上げたとき、麻衣ちゃんがぼくの指の先、そっとつまんだ。
やさしくさすってくれた。
「電話番号教えて。
ロンドンにいたって、いろいろ話ができるし・・・」
ぼく、下を向く。
「夏休みにロンドンに来ない?
旅費とか心配ないから・・・」
ぼく、そっと手を引っ張った。
麻衣ちゃんの手から離れた。
麻衣ちゃんとぼく・・・
また離れ離れになった。
「ネッ。制服、新しいの買うから!
だけどなにがあったか、やっぱりキチンと教えてくれない?」
「大丈夫。麻衣ちゃん!
行ってらっしゃい」
「やっぱり車で送るから・・・
健ちゃん、未成年だし・・・
わたしだって幼馴染として責任あるし・・・」
「本当に大丈夫!」




